出版社内容情報
内田 康夫[ウチダ ヤスオ]
著・文・その他
内容説明
名古屋の名家に代々伝わる「幽霊箪笥」の修理を依頼した男が、港の運河で殺された。さらにその箪笥修理の職人を訪ねた謎の男の死が、遠く奥松島で発覚する。真相究明を依頼された浅見光彦は、箪笥に隠されていた五言絶句と「在不等辺三角形之重心」という謎の一文に目を留めた。二つの死と漢詩を結ぶ接点とは!?作家生活三十周年&講談社創業百周年記念書き下ろし作品。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
1934年東京都生まれ。CM製作会社の経営をへて、『死者の木霊』でデビュー。人気キャラクターを生み、ベストセラー作家に。作詞・水彩画・書など多才ぶりを発揮。1983年から住んでいる軽井沢には「浅見光彦倶楽部」もあり、2007年3月に、宿泊施設「浅見光彦の家」がオープンした。2008年第11回日本ミステリー文学大賞受賞。2010年、作家生活30周年を迎えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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納間田 圭
110
浅見光彦シリーズ後期の人気作。仙台の箪笥(たんす)職人が請負った名古屋の名家”陽奇荘”に伝わる”訳あり箪笥”の修繕依頼。2人の男が…名古屋と宮城で殺された。それは箪笥修繕を依頼してきた名家の執事の男と…箪笥職人の作業場を宮城まで尋ねてきた怪しい男。箪笥の隠し扉の裏に書かれた「不等辺三角形之重心」。そして隠し扉にあった…20文字の妙な漢詩の紙切れ。戦争の陰で結ばれた…男女の秘密。口を噤んだまま…この世を去っていった〇〇。ままならない時代の諸事情。そして…タマゴの黄色にケチャップの赤が眩しいオムライスの思い出2024/09/22
布遊
21
以前かなりハマっていた浅見光彦シリーズ。相変わらずの探偵ぶりを発揮していました。犯人を追い詰めても、その全てを明らかにしない方が、上手く収まると判断すれば、公表しない。そんな曖昧な結末が好き。年を取らない浅見さんがうらやましい。2017/05/08
coco夏ko10角
19
浅見光彦シリーズ。名古屋の名家にあった幽霊箪笥の修理依頼、そして事件が起こり浅見光彦は奥松島と名古屋へ。まず「主人公が携帯使ってる!」と。長く続いてるシリーズだとこういう驚きがある。事件の幕引きはちょっとモヤモヤ…。シリーズ何冊か読んで主人公のスタンスは知ってるけど、今回はさすがにどうだろう。東日本大震災前の「あとがき」と後の「あとがきのあとがき」が印象的。2025/02/26
T. Mu
16
浅見光彦シリーズ、30周年の作品だそうです。暗号解読という新たなジャンルで面白かった❗️ それぞれの登場人物にそれぞれの味があり、いいですね😃2019/06/19
クリンクリン
11
お馴染み浅見光彦シリーズ。実在の歴史や人物を織りまぜたストーリー。歴史的な背景に詳しくない自分なんかからしたらちょっと微妙な展開だったかな。不等辺三角形の暗号にしても腑に落ちない点があるし……。浅見光彦という人物と、正岡家の女性たちとの掛け合いなんかは、ほのぼのさせられてよかったんだけどな(^^;2013/10/22