出版社内容情報
売春婦殺人事件を大型スクープとしたいマカヴォイを阻むのは意外な男。ネット社会の不気味さを描いたタイムリーな傑作。解説真山仁。
売春婦殺人事件を大型スクープとしたいマカヴォイを阻むのは意外な男。ネット社会の不気味さを描いたタイムリーな傑作。解説真山仁。
内容説明
有能な犯罪心理分析者レイチェルが導き出した案山子の人物像は、女性の下肢装具に性的興奮を覚える倒錯者。マカヴォイは、情報強者の案山子が張り巡らした幾重もの危険な罠をどうやってかいくぐるのか?大スクープのゆくえは?巧妙なストーリー展開で、読む者を一瞬も飽きさせない究極の犯罪小説。
著者等紹介
コナリー,マイクル[コナリー,マイクル][Connelly,Michael]
1956年、アメリカ・フィラデルフィア生まれ。フロリダ大学を卒業し、フロリダやフィラデルフィアの新聞社でジャーナリストとして働く。彼の手がけた記事が、ピュリッツァー賞の最終選考まで残り、ロサンジェルス・タイムズ紙に引き抜かれる
古沢嘉通[フルサワヨシミチ]
1958年、北海道生まれ。大阪外国語大学デンマーク語科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
136
今回は実にリアルで寒気を感じた。情報化社会で我々がいかにネットに、情報端末に依存して生きており、そして自身の秘密をたくさん放り込んでいることに気付かされた。そんな社会で必要なのは堅牢なシステムは無論の事ながら、それを扱う人間の資質だ。他人を盗み見ることが常態化し、悪い事とは思わなくなる、いや寧ろ他人の情報すらも容易に手中に出来ることで自らを上位の存在、神と見なして人々をIDだけの文字だけの存在としか認識しなくなる怪物が育ち、悪用されるのが恐ろしい。なんでもそうだが、結局行き着くところは「人」なのだ。2019/06/30
ケイ
127
これ一作だけなら読み応えに問題は無いが、ボッシュやリンカーンシリーズと比べると何か足りない。脇が甘いというか。出版業界は、作者コナリーの出身畑だから、客観性なく書いてしまうからだろうか。スケアクロウのタイトルと意味するところは、さすが。2018/05/21
キムチ
75
いきなり、導師と弟子の関係がさく裂・・牙をむくよおうに、えぐい事実が。奇妙な表題の謎が解り、被害者の死体発見時とマッチ。うわぁ、オズの魔法使いが!頭に被された麻袋★展開はリーダビリティ、最高潮。最終章で語られる犯人の「一番暗い根っこ」誰も辿りつけない場所❓幼少期の悍ましい育てられ方と母親。彼が歩んだ途に送り出したものは何だったろうか。昨今の事件解明でも語られる現代性のあるテーマだった。ついに遭遇しえなかった父 面影だけを求道する犯人の耳に響くⅮoorsのメロディ~私も若い頃聞いただけに唸るね、このラスト。2022/01/18
KAZOO
73
ノンストップの後半であっという間に読んでしまいました。ただ少し疑問になるところもありますが、面白さがまあ目くらましになってくれました。ネット社会の問題点をうまく描いてくれています。コナリーの作品の最初の頃にはこのようなところはあまりなかっと思われます。時代とともに変わってきているのでしょう。とりあえずボッシュとマカヴォイは読んでしまったのでリンカーン弁護士に移りますかね。2015/04/28
けい
67
ネット社会の功罪と、それにともなう活字メディアの衰退を描く事を母体する今作。いよいよ下巻では犯人を追い詰めていくスリリングな展開がスタート。巧妙にはられる犯人のミスリード、主人公の二人に忍び寄る犯人の罠。犯人までたどり着けるのか?初読の作家さんでしたが、読みやすく、展開もスピード感があって面白かった。ネット社会の現在、セキュリティの問題や情報漏洩(そう言えば最近あったな)やはり人なのかと改めて気付かされる作品でした。2014/07/17