出版社内容情報
高校生でギタリストデビューを果たした太郎は大学三年の秋、就活職戦線に身を投じる決心をする。リアルな描写で大反響の話題作!すべての就活生、親も、これからの人も、もう終わった人も、必読!
違和感だらけでも内定は欲しい。超氷河期の就職戦線をリアルに描ききる超話題作!
高校生でメジャーデビューを果たしたものの、バンド解散後は売れないギタリストとして燻っていた太郎。大学三年の秋、慌しく動き出す周囲の言動に違和感を覚えながらとりあえず始めたシューカツだったが……。「元有名人」枠などどこにもないというキビシイ現実の中、太郎は内定獲得に向けて走り出していく。
羽田 圭介[ハダ ケイスケ]
著・文・その他
内容説明
高校生でメジャーデビューを果たしたものの、バンド解散後は売れないギタリストとして燻っていた太郎。大学三年の秋、慌しく動き出す周囲の言動に違和感を覚えながらとりあえず始めたシューカツだったが…。「元有名人」枠などどこにもないというキビシイ現実の中、太郎は内定獲得に向けて走り出していく。
著者等紹介
羽田圭介[ハダケイスケ]
1985年生まれ。明治大学卒業。高校生のときに応募した「黒冷水」が第40回文藝賞を受賞、17歳で小説家デビューを果たす。2008年「走ル」で第139回芥川賞候補、’10年「ミート・ザ・ビート」で第142回芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
109
高校生の時に売れたギタリストは、気が付くと大学三年も後半の一発屋だったシューカツする人となっていった。最初はノリで始まり、なめてかかったすかした感じから、だんだんと真剣に内定をもらうために取り組み、自分の人生そのものを見直していくようになる主人公の変化が、とてもよく描かれている。朝井リョウ「何者」を読んだ時も思ったが、昨今の就職活動は、すスマフォを持っていないと始まらないようだ。常に情報をチェックし、WEBで申込みをし、時には合否までわかってしまう。私ならこのストレスに耐えられず、資格試験に走りそうだ。2015/09/13
優希
95
メジャーデビュー経験のあるギタリストの就職活動物語でした。バンドの解散後もギタリストにこだわっていたのに、周囲に流されるように、違和感を感じながら始める就職活動。なかなか内定がでないのは就活をしていれば普通にあることでしょうが、元々名の知れていた人が「平凡な社会人」になることができるかどうかに疑問を感じますが、この点がかつてとのギャップとなって面白いところでした。ノリで始めた就活が、徐々に自分の人生を見つめるようになっていく様子の描き方が見事です。所々の冷静な目線があるのが好印象でした。2015/09/19
★グラスハート★
67
2.0 就活の話だったので、朝井氏の「何者」みたいにドロドロ部分が描かれるのかと思ったら、のんびりした雰囲気があった。 高校生でメジャーデビューした太郎が主人公で、一般人として就職戦線に戦いを挑んでいくのだが、思った程、緊張感もなく切羽詰まっていない。 もしかすると私はESも就職活動といえる程のものを経験せず、資格優先的な職種についているから感覚が違うのかもしれないなぁ。 機会があれば、もう一作は読んでみたい。2017/12/17
巨峰
62
面白かった。就職活動をテーマとした小説なんだけど、自宅の電話と郵便だけしかなかった自分の頃と比べながら読んだ。あのころも不況だったけど、ぜったい今の方が大変だ。整えられたマニュアルやネットの進歩や情報の氾濫はかならずしも人を生きやすくしないんだなと思った。主人公の青年は高校の頃オーディションでメジャーデビューしたあと大学生活を送っていたんだけど今のギターの技術だけでは食べていけないことに気づいて就職活動をするのだが・・・解説にもあるように真面目な割りにぶれにぶれる主人公の行動に共感した。そんなものさ。2015/08/19
TAKA
56
就活の話。途中て挫折しそうになったけどなんとか読みきった。就活の経験がないからでもなく「何者」は面白かったのに、この作品に毒を持った人が存在しないからかな。淡々と就活していくだけで終わりっていうか。採用される側もする側も曖昧な基準なんだということはわかった。やりたい職業からこの際なんでもいいから入りたいに変更せざる得ないなんて夢も希望もあったもんじゃないな。現実は厳しいか。羽田さんの人の観察力は凄そう。2019/11/16