出版社内容情報
吉川英治の長男・英明氏が、70才で逝った父・英治について青梅の吉野村に引っ越した昭和19年からの想い出を綴った一冊を復刻。没後50年 長男だからわかる素顔の作家
『宮本武蔵』『新・平家物語』など数多くの名作を残した故吉川英治の長男である著者が、70歳で逝った父の十三回忌を機に、青梅の吉野村に疎開した昭和19年からの想い出をまとめた一冊を復刻。厳しい作家の側面と、良き家庭人としての素顔を、著者以外の誰もが知り得ない多数のエピソードと共に綴った貴重な追慕の書。
とりわけ、楽しかったのは、一時、我が家の毎晩の行事のようになった父の“お話”だった。父が毎晩、私達のために時間を割けたのだから、それは、終戦直後、まったく仕事を断わっていたころの事だと思う。夕食後、書斎の隣の部屋に私達を呼び集め、頼朝、義経から、信長、秀吉、武蔵などの話を連続ドラマのように話してくれた。――<本文より>
※本書は1978年3月に講談社文庫より刊行されたものを加筆・訂正し、巻末に吉川英治自筆年譜を収録しました。
吉川 英明[ヨシカワ エイメイ]
著・文・その他
内容説明
故吉川英治の長男である著者が、70歳で逝った父の十三回忌を機に、青梅の吉野村に疎開した昭和19年からの想い出をまとめた一冊を復刻。厳しい作家の側面と、良き家庭人としての素顔を、著者以外の誰もが知り得ない多数のエピソードと共に綴った貴重な追慕の書。
目次
昭和四十九年
吉野村へ
こわい父やさしい父
終戦のころ
父と競馬
『新・平家』と末っ子の誕生
各社のサムライ達
私の中学入学
父の愛
軽井沢
吉野村を後に
熱海時代
闘病
『新・平家』完結
『私本太平記』起稿
最後の家
昭和三十六年
昭和三十七年
著者等紹介
吉川英明[ヨシカワエイメイ]
1938年東京都生まれ。’61年、慶応義塾大学法学部卒業。同年NHK入局。’71年退局まで、大阪、東京、名古屋で放送記者として勤務。その後、書店経営を経て吉川英治記念館館長。2011年から財団法人吉川英治国民文化振興会理事長を兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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