出版社内容情報
官兵衛とジョアン。未曾有の変革の時を、時代の風を受けて生き抜いた二人! 新直木賞作家による歴史長編・葉室流 黒田官兵衛。人に優しき稀代の名将・官兵衛
「神の罰より、主君の罰を恐れよ、主君の罰より、臣下、百姓の罰を恐るべし」。戦国の世で、神の愛のため戦うと誓った黒田官兵衛。土牢の幽閉から逃れ信長への謀反に暗躍、秀吉の懐刀となり勇名轟かせた策士でもあった。「民を貴しとなす」とした稀代の名将の真の姿が、新直木賞作家による渾身の筆で現代に甦る。
葉室 麟[ハムロ リン]
著・文・その他
内容説明
「神の罰より、主君の罰を恐れよ、主君の罰より、臣下、百姓の罰を恐るべし」。戦国の世で、神の愛のため戦うと誓った黒田官兵衛。土牢の幽閉から逃れ信長への謀反に暗躍、秀吉の懐刀となり勇名轟かせた策士でもあった。「民を貴しとなす」とした稀代の名将の真の姿が、新直木賞作家による渾身の筆で現代に甦る。
著者等紹介
葉室麟[ハムロリン]
1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業。地方紙記者などを経験した後、2005年、『乾山晩愁』で歴史文学賞を受賞し作家となる。’07年『銀漢の賊』で松本清張賞を受賞。’12年『蜩ノ記』で第146回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふじさん
100
キリシタン大名で、秀吉の懐刀として勇名を轟かせた黒田官兵衛の半生記。戦国時代に大きな影響を及ぼしたキリシタンの布教を扱った小説、視点が新鮮で多く発見があり面白かった。又、竹中半兵衛の「織田様の命を縮め奉る策」により、天下統一の裏面史が語られる構図も読み応えあり、違った視点から本能寺の変の真相が見えてくる。官兵衛、信長、秀吉、光秀、日本人修道士のジョアン、大友宗麟や妻の奈多方、細川ガラシャ等、登場人物の関わりや巧みな人物描写が、歴史の事実を際立たせる。葉室麟の戦国時代が見事に描かれた傑作。面白かった。 2022/10/30
佐々陽太朗(K.Tsubota)
81
今、話題の人、黒田勘兵衛とは何者ぞと興味があり本書を読んだ。うーん、なんだかなぁ。この小説の主人公黒田勘兵衛にも、準主人公ジョアン・デ・トルレスにも思い入れることなく読み終えてしまった。時は戦国時代、織田信長、豊臣秀吉、明智光秀、大友宗麟、高山右近、竹中半兵衛、細川ガラシャ・・・、登場人物は多士済々、信長や秀吉が覇者となっていく過程にキリシタンと南蛮文化が影響したという視点も面白い。しかし正直なところ小説世界に入り込めなかった。なんだかなぁである。2013/07/29
takaC
79
つまらなくはないのだけどこの創作独特の設定がどうも好きになれず入り込めなかった。出てくる人が誰も彼も腹黒いのはその時代ならではなんだろうけど。2014/10/28
只三郎
42
キリシタンとしての黒田官兵衛と日本人キリシタンのジョアンを中心に描いた本作。 話は秀吉が天下を取り、九州を制圧した所までとなる。 キリスト教を絡めた話しは、他の歴史小説では描かれていないこともあり、違う観点から楽しむことができた。2016/09/21
アイゼナハ@灯れ松明の火
41
葉室麟作品初読み!シメオン黒田官兵衛と日本人修道士ジョアンを主人公に、キリシタンから見た戦国時代を描いた作品です。ジョアンを一方の主人公に置いたことで九州のキリシタン大名である大友宗麟の事蹟にも触れているなど奥行が感じられるなぁとの印象。宣教師たちの背景もしっかり描かれていて、なかなかこの時代は純粋な信仰という観点からのみでは語れないことも判る感じですね。一方で竹中半兵衛の鬼謀であるとか堺商人小西隆佐の思惑であるとか、作者独自の視点も織り交ぜられていて興味深く読みました。続編の文庫化が待たれます。2012/05/29