出版社内容情報
乱世に戦わずして北の大地を安堵した一族!村上水軍を祖とし若狭を経て、東北の安東氏から独立して蝦夷地で花開いた蠣崎氏。戦乱の世に豊臣秀吉、徳川家康から交易権を得て、北の大地を守り通した三代記。
内容説明
瀬戸内の水軍・河野氏を祖として、若狭を経て蝦夷地で花開いた松前氏。戦国期、主君への忠義を果たしつつ、前田利家の勧めによって上洛し、豊臣秀吉から交易権を得、さらには徳川家康に安堵されて藩主に。秀吉、家康という二人の天下人に認められ、戦わずして北の大地を護り通した一族を描いた歴史長編。
著者等紹介
土居良一[ドイリョウイチ]
1955年北海道札幌市生まれ。札幌市立旭丘高校卒業。アメリカに留学後、’78年『カリフォルニア』で第1回群像新人長編小説賞を受賞。’85年『夜界』で第19回北海道新聞文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
20
74北海道の蠣崎家は信長の野望をやってなければ知ることがなかった一族でゲームの中でも気付けばあっさり南部家に滅ぼされている弱いイメージでした。蠣崎家はどんな一族なのか?驚いたのは安東家の家臣のような立場にいて武ではなく商いと情報を駆使して独立を目指していたというところでした。やはり東北はまだ知らない事が多いので知らない人物や出来事で苦戦しました。武を捨てて遠くから織田信長や豊臣秀吉を冷静に分析しさっさと豊臣を見限り徳川家康に鞍替えしたのは鮮やかで感心しました、ほとんど戦をせず生き永らえた事に驚きました。2021/06/11
TheWho
15
江戸時代に北海道で唯一の大名松前藩の成立を藩祖蠣崎季広・慶広親子の足跡で語った戦無き戦国歴史絵巻。鎌倉以来の名門津軽安東氏の被官として蝦夷地を治めていた蠣崎氏は、主家の分裂や奥羽の争乱に背を向けながら戦国末期の変遷を見極め、交易で培った情報網を活かし信長、秀吉、家康と変遷する中央権力の盛衰の渦中を泳ぎきり松前藩として独立を果たす。幕末史で登場するが、知る事が無かった松前藩だが、河野水軍と武田氏の後裔であった事は初めて知った。戦国末期の歴史の渦中と北国の生き残りを描ききった稀有な一冊です。2017/08/25
なよ
8
やっと読み終えたというのが、率直な感想です。全く知識がないので、蝦夷近辺の話になると読みづらく時間がかかった。家系図を何度見たことやら…穀物や武力がなければ、交易が重要であり、豊臣秀吉の朝鮮出兵あたりの行為は、遠い立場からみれば愚行だと思う所は大いに共感した。2017/03/08
勝部守
5
淡々と進んでいくが、波乱万丈。後継ぎも固まらず、心残りもあっただろうな。見切りの力か。2018/06/25
シン
5
北海道が蝦夷と呼ばれていた、戦国末期から江戸初期の松前氏を描いた作品。他の方も仰っているように特に前半は松前氏に関する基礎的な知識がないと、なかなか読み進めるのが大変だと思いました。河野、村上、安東、南条、蠣崎、松前・・・また「広」がつく同じような名前がたくさん出てきて、何度も巻首の系図を見ながら読んでもわからなかったり、系図に名前がなかったり、話が前後していたり・・・。後半になると、豊臣秀吉や徳川家康といった戦国武将が登場し、松前氏の登場人物も限定されてくるので読みやすくなりました。ふだんあまり見かけら2013/09/27
-
- 和書
- とある女との過去