出版社内容情報
『死都日本』の石黒耀が描く、忠臣蔵の真実赤穂四十七士の吉良邸討ち入りは幕府の策謀だった!? 逆臣と蔑まれた四十八番目の浪士が、徳川幕府に蹂躙された全ての人々の仇を討つため立ち上がる!
内容説明
悪家老として名高い、赤穂藩の経済官僚・大野九郎兵衛。しかし、彼こそが、先進的な製塩技術の開発と塩相場による儲けで、お取り潰しにあった浅野家再興を志す忠臣だった。赤穂浪士の討ち入り後は、真の仇を討つべく、米相場を下落させ、さらに布石は長州にも…。『死都日本』『震災列島』『富士覚醒』…サイエンス・フィクションの名手が、元禄赤穂事件から維新戦争まで、滔々と流れる歴史の大河の核心を、大野九郎兵衛の仇討ちを主旋律に、壮大なスケールで解き明かす。類のない時代ミステリーの快作。
著者等紹介
石黒耀[イシグロアキラ]
1954年、広島県生まれ。医師、小説家。京阪神に育ち、宮崎医科大学(現在の宮崎大学医学部)に進む。2002年、霧島火山帯の“破局噴火”をシミュレートしたクライシスノベル『死都日本』で第26回メフィスト賞を受賞しデビュー。日本地質学会表彰、宮沢賢治賞奨励賞も受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
13
△他の忠臣蔵と視点が違うのはいいのですが、話が飛躍しすぎて荒唐無稽になっているように感じました。またところどころに入るチャチャが面白くなく、テンポが乱れました。2021/09/07
MarsAttacks!
6
実は忠臣蔵ってよく知らないのですよね、なぜかTVドラマでも見たことが無く、松の廊下と討ち入りぐらいしか知らない知識で読み始めました。本家を知らないのでこの別解釈を楽しみながら比べることは出来ませんでしたが、忠臣蔵から幕末のこじ付けは楽しく読めました。忠臣蔵・幕末の長州を知っていたらもっと楽しめたはずの作品でした。2014/10/19
Junji Ogawa
2
文章は達者だが、「幽霊に新情報を語らせる」という形を発明した以外、内容的には??? 加藤廣の『謎手本忠臣蔵』に続けて読んだからか、浅い感じがしてしまった。逆だったらよかったかもね。2011/12/19
成山昌子
1
火山の大爆発とか自然災害系でぶっ飛んだ話が面白い石黒輝の時代物?と思って読んだら、忠臣蔵から討幕へ亡霊の昔語りに親父ギャグを挟んでちょっと話に入り込めない。歴史好きには面白いのかもしれないけど、経済の行き詰まりが幕府を倒すというストーリを一人の人が考えた仇討にしてしまうのは無理があるのではないでしょうか。2013/02/10
YH
1
姉妹の茶々や駄洒落、じゃれているところとか父の突っ込みがうっとしい。石黒さんなりの考証と解釈による忠臣蔵と倒幕との関係についての発想自体は面白くはあるんだけど。2011/12/22