出版社内容情報
トーベ・ヤンソン[トーベ ヤンソン]
著・文・その他
下村 隆一[シモムラ リュウイチ]
翻訳
内容説明
ジャスミンの香りにつつまれた六月の美しいムーミン谷をおそった火山の噴火。大水がおしよせてきて、ムーミン一家や動物たちは流され、ちょうど流れてきた劇場に移り住むことにした。ところが、劇場を知らないみんなが劇をはじめることになって…。国際アンデルセン大賞受賞作家の楽しいファンタジー。
著者等紹介
ヤンソン[ヤンソン][Jansson,Tove]
1914年フィンランドの首都ヘルシンキ生まれ。ストックホルムとパリで絵を学ぶ。1948年に出版した「たのしいムーミン一家」が世界じゅうで大評判となり、以降「ムーミンパパの思い出」「ムーミン谷の夏まつり」「ムーミン谷の冬」など、一連の傑作を書いた。2001年6月没
下村隆一[シモムラリュウイチ]
1928年大阪市生まれ。東京大学経済学部を病気のため中退。北欧児童文学の翻訳家として活躍したが、1969年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
470
ムーミンのお話って、こんなに自由な構想で語られていたのだったか。今さらながら、ヤンソンの物語作法が謎めいてくる。今回の物語は、ムーミン谷が冒頭近くで火山が噴火し、それに続いて洪水に見舞われるのだが、それにしてはみんななんだか暢気である。後半は劇へと物語の中心を傾斜させていくが、その移行は自然といえば自然なのだが、物語的な必然はないだろう。まあ、こんな語りなのだろうか。一連のムーミンの絵とともに惚けた味わいではある。逆に言うと、これらの絵がなければムーミンの物語は魅力が半減するのだろうか。2022/02/09
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
169
山が火を噴きムーミン谷は大洪水に巻き込まれる。家ごと流され家財道具がほぼ駄目になっても、食べものも水びたしでも、ムーミン一家はやっぱりムーミン一家。決して沈まず、怒らず、どこかのんびり解決策を考えて、ほんの少し残った食べものをみんなで分けます。 移り住んだ劇場で慣れない劇を開催する、月夜の水面に浮かぶ劇場と観客の船々がなんとも幻想的で素敵。 ジャスミンの香りにつつまれた6月のムーミン谷。移住したい( '༥' )ムーミンママにお布団調えてほしい。2019/06/04
ユメ
86
ムーミン一家はまたしても自然の脅威にさらされるけれど、彼らは夏至のお祭りを楽しむ心を忘れない。くよくよするのはいつでもできるのだから。この物語の中で、ムーミン一家は沢山の人たちに幸せを振り撒く。けれど、ムーミンパパたちが劇を始めたのは全くの思いつきで、これっぽっちも人助けなんて考えてはいない。その結果だからこそ、劇以上に劇的な結末が余計に気持ちいい。そして彼らは、それを「じぶんの友だちが、それぞれその人にぴったりしたことができるようになるのは、うれしいことでしょ?」と受け止めることができる人たちなのだ。2015/04/03
あつひめ
70
ムーミンの話を読むと、子供向けと言うより、大人へのメッセージではないか?と思う言葉に出会うことがある。「大切なのは自分のしたいことを自分で知っていること」…。自然と生きるには、様々なことに敏感であることが大事なのかもしれない。フィンランドの暮らし方をムーミンを通して体験させてもらっているような…。テレビで観たときとは違う印象を受けた。続きが楽しみ♪2015/01/07
Rosemary*
49
【児童書・絵本で寄付しましょう♪】 ムーミン谷が、火山の噴火で大洪水に見舞われ、命からがらたどり着いた先は、湾の上の劇場でした。その後も一家がバラバラになったり、ハプニングが続きますが困難を乗り越え、芝居の上演をやることで、また一緒に戻れるお話です。ミィとスナフキンの偶然の出会いは、嬉しかったし、スナフキンが小さい子供たちに好かれて、慣れないゆえに色々心配するところが可愛いらしくて好き。ニョロニョロは、種から芽生えたんですね!ムーミン谷にもどれて良かった。2014/06/28