出版社内容情報
トーベ・ヤンソン[トーベ ヤンソン]
著・文・その他
小野寺 百合子[オノデラ ユリコ]
解説/翻訳
冨原 眞弓[トミハラ マユミ]
解説
内容説明
自由と冒険を求めて海にのりだした青年時代のムーミンパパ。ユーモラスな竜との戦い、あらしでたどりついたゆかいな王さまの島、おばけと同居したり、深海にもぐったり…さまざまな冒険をしながら、ムーミンママと劇的な出会いをするまでをパパが書いたファンタジーあふれるムーミン物語の傑作。
著者等紹介
ヤンソン[ヤンソン][Jansson,Tove]
1914年フィンランドの首都ヘルシンキ生まれ。ストックホルムとパリで絵を学ぶ。1948年に出版した「たのしいムーミン一家」が世界じゅうで大評判となり、以降「ムーミンパパの思い出」「ムーミン谷の夏まつり」「ムーミン谷の冬」など、一連の傑作を書いた。2001年6月没
小野寺百合子[オノデラユリコ]
1906年東京生まれ。東京女高師付属高女専攻科卒業。夫とともにながく北欧諸国に滞在。「ムーミンパパ海へいく」、リンドグレーン作「エーミールと60ぴきのざりがに」など北欧児童文学の翻訳多数。1998年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
467
シリーズ第4巻の主人公はムーミンパパ。彼の幼少期からの体験と冒険を次の世代であるムーミンやスナフキンたちが聞くという形式を取っている。それによれば、パパは捨て子ホームの階段の上の紙ぶくろに新聞紙に包まれて置かれていたのだそうだ。なんとも物悲しさの漂う回想なのだが、彼らは一様にそれ以前の世代からは断絶している。したがって、彼らの紐帯はひとえに仲間としてのそれであった。パパと孤独なフレドリクソン、ヨクサル(スナフキンの父)らがそれである。そして、この孤高の影を次世代にまで持ち越すのがスナフキンである。2022/01/22
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
90
自由と冒険を求めて海へ出た若き日のムーミンパパ。回想録を執筆する事を思い立ち、1章書き上がる事に家族に読み聞かせるという形式で物語は進みます。ムーミン谷の仲間達の系譜を知る事ができるのも本書の大きな魅力です。フレドリクソン、ヨクサル(スナフキンパパ)、ロッドユール(スニフパパ)との友情、奇妙な王様の島で会った人々。冒険譚だけに恐ろしい生き物もたくさん出てきます。モラン、竜のエドワード、一番怖いうみいぬなど。仲間たちが大集合するラストシーンにはワクワクします。ムーミンママとの出会いのエピソードもちょっぴり。2014/09/20
ユメ
84
ムーミンパパの若かりし日の冒険譚には、ロッドユールとヨクサルが登場する。実は、私はすっかり、この二人がそれぞれスニフとスナフキンの父親だというのはパパの作り話だと思っていた。なにしろパパの思い出の記は、誇張されがちなものだから。自分と同じように親を知らないスニフとスナフキンへの、パパなりの優しさだとばかり思っていた。フレドリクソンが戸をノックする瞬間までは。おお、ムーミンパパ、疑ってごめんなさい!思い出の記を綴るペンが置かれた後も、新しく増えた仲間と共に冒険が続いてゆくのは、なんて素晴らしいことだろう。2015/04/02
あつひめ
80
ムーミンは、テレビで観る程度だったので、初めてムーミンの原点を見た気がする。そして、ミムラ姉さんやミイの登場で、自分の知っているムーミンの世界に少しずつ近づいてる。ムーミンパパが捨て子だとか、ムーミンママは昔からハンドバッグを離さないとか…児童書にしては、細かな細工があちこちに仕掛けられている。スナフキンが呟く…ミムラってどんな人?僕にもママだったのでしょう。なかなか複雑な展開だ。ムーミンの世界には人間が現実にはのめり込めない冒険の世界を繰り広げている気がする。続きが楽しみだ。2014/12/12
aquamarine
78
「ミイがスナフキンのお姉ちゃん」と言われ、全く覚えていなかったのでこの本だけ再読してみました。お話はみなし子だったムーミンパパが孤児院を抜け出し、大冒険の末ムーミンママと出会うまでの「思い出の記」を書き、子供たちに読み聞かせることで進みます。実は他のムーミンの本はそれほど好きじゃありません。アニメみたいに優しい日々や優しい関係ばかりではないからです。でもこれはスニフとスナフキンの父親にあたるロッドユールやヨクサルとも旅を共にし、出会う人々とのやり取りも素敵な素晴らしいファンタジーでした。つくりも綺麗で→2017/06/16