内容説明
正体不明の犯人の予告通りに、連続殺人は正確に実行されていく。事件の容疑者をビリーに仕立て上げるような痕跡を、用意周到に残しながら。残虐さと恐るべき知性を兼ね備えた殺人者はいったい何者なのか。状況は絶体絶命。恐怖はどこまでも速度を増していく―。クーンツ・ワールドに満ちた傑作ミステリ。
著者等紹介
クーンツ,ディーン[クーンツ,ディーン][Koontz,Dean]
1945年ペンシルバニア生まれ。’68年、SF小説“Star Quest”で長編デビュー。’70年代はさまざまなペンネームを駆使してジャンルを問わずに大量の小説を発表。’86年、『ストレンジャーズ』でブレーク後は、スティーブン・キングと並ぶモダンホラーの旗手となり、その後も幅広くエンタテインメント・サスペンスの巨匠として活躍を続けている
田中一江[タナカカズエ]
1953年東京生まれ。東京女子大学英文科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
11
多作家のクーンツだが、よくもまあアイデアが尽きないものだ。そのヴァリエーションの豊富さには目を見張るものがある。毎回よくこれほど悪意溢れるサイコパスを生み出せるものだ。これほどまでの人非人を考え付くものだと作者の創造力に恐れすら覚えるくらいだ。実際の事件に題を取ったのか判らないが、彼の小説を見て同じ事を真似しようと考える犯罪者が現れないか心配すらしてしまう。クーンツに興味を持った読者が取っ掛かりとして読むにはバランス的にちょうどいい作品だろう。クーンツ作品のスピード感(ヴェロシティ)を感じていただきたい。2010/11/24
ぬぬよよ
9
クーンツは初読みです。面白かったですが、主人公が何故狙われたのかイマイチ分からず。でも皆さんの感想読んでたらそれが特徴みたいですね。2022/06/30
hit4papa
9
正義は勝つ、愛は勝つで、マンネリだけれど予定調和的な結末が心地良いクーンツですが本作はがらりと趣が異なります。見知らぬ人物から次々と理不尽な要求を突きつけられる主人公ビリー。たたみこむようにに惨い目にあい続ける彼には出口が全く見えません。残念ながら緊張状態は、徐々にトーンダウンしてしまうのですが、感情移入はたっぷりとできます。ちょっと違うクーンとを楽しめますね。
魔魔男爵
5
中盤ちょっとダレるいつものクーンツだが、終盤のドンデン返しの嵐が素晴しい!ミステリとして『オッド・トーマス』でアホサ・クルッテリィを超えたが、本作の素晴しい犯人像はヒラリー・ウォーにも匹敵する。内気な読書好きな人間と、外交的な芸術家、どちらが生まれながらの加害者なのか、じっくり噛み締めて下さい。本作に出て来るふざけた芸術作品は実は実在するw2010/12/22
ケイ
5
主人公が2重人格ですべて辻褄が上巻では思っていたが、下巻で早くもそれが間違いと気付かされる。そうそう、あいつ怪しかったよな、最初は気をつけていたのにと思っていた奴を忘れていた。一気読みしたし、つまらないことはなかったけど、描写はおどろおどろしく見せることに重点をおかれたようで、物語に深みがない気がした。この作者のほかの本も読んでみようっと。2010/11/17