内容説明
科挙の合格を願う十八歳の蘇二郎、鍛え抜かれた肉体を誇る十六歳の娘・盧七娘、美少女の誉れ高き十七歳の葛小妹。桃林で十年ぶりに再会した三人は、喜び合い、慣れない酒に酔って、いつしか睡夢の世界へ。目覚めた先は、陰謀渦巻く唐の都の宮中だった。ファンタジー満開、美味なる調べの傑作中国時代小説。
著者等紹介
森福都[モリフクミヤコ]
1963年山口県生まれ。広島大学医学部総合薬学科卒業。’96年に『長安牡丹花異聞』で第3回松本清張賞、『薔薇の妙薬』で第2回講談社ホワイトハート大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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brink
6
          
            冒頭を読んでファンタジー小説と思いきや唐の宮中を舞台にした歴史劇に。と思ったら締めは幻想小説の趣。入れ子形式が生かされてないようで、なんだかまとまりのない印象。でも、あの終わりのない、繰り返す時間の輪から抜け出せない感じは少し怖くて好きです。2011/08/24
          
        なぎ
6
          
            夢から覚めて終わりかと思いきや、ぐるりと回って円環を描き、でも実はラストの世界はまた別の世界・・・という永遠に覚めない夢の世界に紛れ込んでしまったようなお話。夢と関わって現実世界も変わるっていうお話だと思って読んでいたので、初めは「あれ?」って感じでしたが、そんな話だと考えると中々面白い。今度の夢はどんな夢?という想像が広がる。  清風のキャラクターが潔さがあって好きでした。2010/11/25
          
        shizuca
5
          
            再読。不遇ともいえる幼馴染みがであって……ではじまる不思議な話。ハッピーエンドではないような気もしますが不思議と暗くはならない作品でした。2015/06/30
          
        ハッピーハートの樹
5
          
            どちらが現実の世界だったのでしょうか。桃林の世界は不思議な世界。不思議な動物に導かれた場所で、美味しいものを食べて、お酒を飲んで...。睡夢の世界のほうが厳しい現実の世界のようにも思えます。結局何を言いたかったのでしょう。桃林の世界については、ろくに説明がないし。睡夢の世界では、最後つまらないことで追いつめられて、それから逃げるように死んでしまうし。夢や現実なんて関係なく、今いる世界で必死に生きろ的な物語でも無いですね。2010/11/13
          
        コンチ
4
          
            桃林の世界は夢だったのだろうけれど、それでは唐の世界が現実だったのか?最後まで読むと、何が現実で何が夢か、とてもあやふやな不思議な感覚になります。宝貝とも言えそうな道具の登場、史実に基づく登場人物たち、そして魅力的な主人公三人(やっぱり私も七娘の凛々しさが好き)…と、おススメポイント満載です。唐代伝奇を他にも色々読んでみたくなりました。2011/05/20
          
        


 
               
              


