出版社内容情報
元夫の言葉に傷ついて落ち込む佐和子に転機をもたらしたのは、祖父の遺した日記だった――。
結婚生活が破綻して落ち込む佐和子を励まそうと、父親は事業を始めるように勧める。そのとき、家業の創業者である祖父が彼女に遺した日記のことを思い出す。弁護士が永らく保管していた日記から、大戦間に渡欧して奮闘する日々が甦る。祖父の真意もわからないまま佐和子は生きる糧を求めてパリへ向かう。
宮本 輝[ミヤモト テル]
著・文・その他
内容説明
結婚生活が破綻して落ち込む佐和子を励まそうと、父親は事業を始めるように勧める。そのとき、家業の創業者である祖父が彼女に遺した日記のことを思い出す。弁護士が永らく保管していた日記から、大戦間に渡欧して奮闘する日々が甦る。祖父の真意もわからないまま佐和子は生きる糧を求めてパリへ向かう。
著者等紹介
宮本輝[ミヤモトテル]
1947年兵庫県神戸市生まれ。追手門学院大学文学部卒。’77年『泥の河』で太宰治賞、’78年『螢川』で芥川賞、’87年『優駿』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。’95年の阪神淡路大震災で自宅が倒壊。2004年『約束の冬』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
igaiga
14
再読。何回読んでも好きな本。ただ、今読むと時代背景とか女性とは・・・みたいなのに若干の違和感。佐和子の性格もどうかな~?と思うんだけれど、それを差し引いても祖父の日記&手紙の内容はすごい。2021/02/28
mymtskd
11
1920年代に渡欧して貿易商を創業した祖父の古い日記を遺言で託された主人公が、その日記に込められている祖父の思いを果たそうとパリに赴く。謎めいた暗号のようなオレンジの壺とは何なのか。マリーは生きているのか。この先どんな展開になるのかとはやる気持ちのまま下巻へ。パリの町の描写が鮮やかで街並みが目に浮かぶよう。2019/04/19
はち
11
オレンジの壷とは何か?何故祖父は孫娘だけに日記を残したのか?それは一次大戦後のフランスで起きた出来事。謎が多すぎるので上巻ではまだはっきりした感想はない。枠組み自体は相変わらずの宮本作品なんだけどね。下巻で全ての謎が明らかになればいいなぁ…2011/01/19
papico
10
十代から二十代にかけて好んでいた宮本輝の作品群。これは読んでいなかったなと思い、約二十年ぶりに手に取って堪能しました。そうすると、女性感とかジェンダー感に関して違和感が生じてきたのです。この感覚は決して嫌なものではなく、なるほどなあと感じ入るものでした。時代の移り変わりとか、自分も確実に年齢を重ねていることとかです。「女とは、、、」みたいな文章も、当時は気にせず読んだものだったなあ、なんて笑 ストーリーについては下巻の感想にほぼ譲りますが、後半に進むにつれてどんどんページがめくれていきました!2022/06/15
2ndkt
6
▽佐和子の祖父は、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に渡仏、現地の女性との間に子どもを授かり、結婚。しかし、出産を待たずして日本へ帰国。手紙で妻と娘の死を知る。しかし、娘の死を信じられず、渡欧して追いかけ続けるも真相がつかめず。▽そして、現代。孫の佐和子は、祖父が遺した日記や祖父のもとに届いた手紙を読み、佐和子もまた祖父の娘が生きていると信じる。佐和子は、渡仏、手掛かりを探し始める。▽さあ、続けて下巻へ。祖父の娘に会えるのか?佐和子の人生にどんな影響を与えるのか?展開が楽しみ。2014/07/29