内容説明
グルジアの小さな町でアリーナと静かに暮らしていたアティカス。だが隣人一家が何者かに惨殺され、その日々は終わりを告げる。連れ去られた14歳の少女の行方を追い、アティカスは世界の裏路地を独り駆け抜ける。背負い続けてきた十字架と向き合い、かつての自分と和解するために、男は最後の戦いに挑む。少女の心と体は壊れていく。こうしている一刻、一刻の間にも。大人気シリーズ、堂々の完結。
著者等紹介
ルッカ,グレッグ[ルッカ,グレッグ][Rucka,Greg]
1970年、サンフランシスコ生まれ。ニューヨーク州ヴァッサー大学卒。南カリフォルニア大学創作学科で修士号を得る。1996年、プロのボディーガードを主人公にした『守護者(キーパー)』でデビュー、PWA最優秀処女長編賞候補に
飯干京子[イイボシキョウコ]
1964年、兵庫県生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
44
アリーナが携帯で「アティカス」と呼びかけて思わず驚いた。そうだこいつ、アティカスだったっけ!それくらいの変貌ぶり。 複数の偽造パスポートを使いこなし黒海を中心にグルジア、トルコ、ドバイ、ロシアと駆け回り、次の日にはアメリカに飛びその次はアイルランド。もはや世界を股にかける裏世界の住人。でも「守る」という信念だけは変わらない。鉄板のいい人であることも。彼女の妊娠中絶から始まった彼の物語は大きならせんを描き原点に回帰する。守るべき者が3人に増えちゃって新天地で平穏に暮らしていけるか老婆心ながら心配ではある。2019/04/27
ずっきん
44
たった今、高揚と寂しさ入り交じる思いで最後のアティカスの物語を読了。「逸脱者」からは怒濤の勢いで読み進んだが、最後は終わってしまうのが嫌であえて本を閉じたりした。アティカスのことは「守護者」で小一時間説教したいと書いたけど、最後の最後までそうだった。青臭い「救いがたいロマンティック野郎」で「いいひと」だ。どんな展開になろうともアティカス達を読んでるのが楽しかったよう♪ ありがとう。じゃあね、アティカス!、、、うっ、さびしい。。。2018/04/05
アイゼナハ@灯れ松明の火
30
『守護者』から始まった本シリーズも遂に完結かぁ。腕利きのボディーガードから、数多の犠牲を払って凄腕の元暗殺者の恋人に転身した主人公アティカス。最後の事件は、国際的少女密売ネットワークに拉致された隣人の娘の奪還。誰からの依頼でもなく、自らも隠れ潜まねばならない身の上なのに動き出す彼に、エリカを守っていた頃の面影を感じない訳ではないけれど、やっぱり戻れない河を渡ったんだなぁとの思いも深くした最終巻でした。さよなら、アティカス。あなたとその家族に幸多からんことを祈ります。2010/08/17
chiseiok
29
この読了後の豊穣な余韻、『獣の奏者』『航路』以来かも。シリーズ物の体裁ではありますが、むしろ"超大河活劇恋愛成長物語"の第一章が『守護者』、終章『回帰者』(もちろん転章『耽溺者』含む!)って事ですな…。ここまでパッキパキにキャラ立てられたら入れ込まざるを得ないし、で、どんどん過酷で切ない展開にはなるし、結果的に読んでる間中ずっと鼻ツーンの眼ウルウルで…。感情移入バルブ全開、だだ漏れです。ケイシェルの「いい人ね、あなたは」の一言でついに電車内で落涙。多分ばれてないとは思うけど、う~恥ずかしい(/ω\)。2014/11/13
あつぼう
18
遂にアティカスシリーズが完結してしまう(泣)。ファンとしては哀しいけどいつの日かまた会えると信じてます。あまりにも多くの悲劇を乗り越えて今のアティカスがあるけど、最後やから昔の仲間の事などがもっと書かれてたら良かったのに・・・・。まぁ~一番好きなキャラのブリジットだけが最後まで変わらず登場するのは嬉しかったなぁ~。ボディーガードから暗殺者の恋人へと変化していったアティカスやけど、その根底にあるものは初期のアティカスのままでした。アリーナとお幸せに!2010/09/28