出版社内容情報
重松 清[シゲマツ キヨシ]
著・文・その他
内容説明
二十九年ぶりに帰ったふるさとで、病魔は突然暴れ始めた。幼なじみたち、妻と息子、そして新たに出会った人々に支えられて、俊介は封印していた過去の痛みと少しずつ向きあい始める。消えてゆく命、断ち切られた命、生まれなかった命、さらにこれからも生きてゆく命が織りなす、あたたかい涙があふれる交響楽。
著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒。出版社勤務を経て執筆活動に入る。1999年『ナイフ』で第14回坪田譲治文学賞、『エイジ』で第12回山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で第124回直木賞、2010年『十字架』で第44回吉川英治文学賞受賞。話題作を次々発表するかたわら、ライターとしてもルポルタージュやインタビューを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青葉麒麟
154
自分の大切な伴侶の過去を何処まで知るかって微妙だ。私だったらあんまり知りたくないなぁ。でもまぁ、美智子と恵理の関係が壊れなくて良かった。ちょっと後半間延びしてたような気がしないでもない。辛い過去があるのは判るけど、ミウが苦手。2014/01/23
one
118
とても切なく心に残る作品でした。下巻では特に許し、許される事が多く描かれており考えさせられながら読んでいました。残れないが故の贖罪であったり、残るが故に必要とされる寛容さという人の心の機微が上手に描かれていた気がします。残る側に若干利己的な考えがあるのも、残された時間で「己が己を許す」為に必要なのかもしれませんね。人からも自分自身も長い時間はもちろん、家族や友人の助けがあって初めて受け入れ許すことが出来るのでしょうか。2014/11/04
myunclek
106
それぞれに抱えた贖罪が余りにも綺麗に昇華されたきらいはあったものの、涙が溢れて止まらない場面の連続にこっちの体力が消耗したような^o^こんなに強く生きられるものなのかな?逝く人と残される人、やっぱ直面したくないと思うのは自分の覚悟の無さなんだろな。2015/12/24
のんちゃん
104
トシとシュンの幼なじみでありながらも悲しい運命に心が締め付けられるようでした。 電車で読んでましたけど、泣きたいなー、と思って家に帰ってから泣きながら読みました。 重松先生、いい本を有難う。2015/02/17
いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】
101
図書館*贖罪と許しの物語・上下巻*丘の上の遊園地は俺たちの夢だった…。悪性腫瘍を告知された俊介は、二度と帰らないと決めていたふるさとへ向かう。そこには、かつて傷つけてしまった友が、初恋の人がいる。星が瞬くカシオペアの丘で再会と贖罪の物語が静かに始まる――あっという間に読み終わりました。本当に素晴らしい内容でした!穏やかなのに残酷で、痛々しいのに幸せで、そんな帰るべき場所に辿り着けたからこそ、最期まで生きることができたんだと、読後あたたかな気持ちで本を閉じました。"許されること"の有難さを痛切に学べる良書!2013/06/13