内容説明
「人民日報」のインターネット部門「人民網」に派遣された日本人新聞記者の目に映じたものは…。有人宇宙飛行の成功や北京五輪を前に高揚する大国意識。想像を絶する首都と地方の格差。そして投げつけられた「日本鬼子」の罵声。中国共産党の報道観、世論観に触れて考えた清新な記録。
目次
序章 北京到着
第1章 「人民網」のなかへ
第2章 急成長する中国ネット社会
第3章 規制の実態
第4章 “温度差”を感じながら
第5章 発展のかげに
第6章 人民とは誰のことか
終章 建国六十周年の北京から
著者等紹介
佐藤千歳[サトウチトセ]
1974年千葉県生まれ。東京大学教養学部地域文化研究学科卒業後、北海道新聞社入社。2005年6月、中国共産党機関紙「人民日報社」のインターネット部門「人民網」へ出向。同時に北京語言大学へ留学。現在、北海道新聞国際部記者。医療格差や日中の環境保護問題などを精力的に取材している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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midnightbluesky
3
何事も桁違いの国であるがゆえのジレンマと、すべての人々が幸せになれるとは限らない、という当たり前でありながら、目をつむってきた事実に向き合うことで、中国に馴染んでゆくことができるのではないのか?という問いかけを含む。2010/03/26
かわのふゆき
2
googleとの騒動が話題になっていますが、この国はこれからも情報統制によって人民をコントロールできると思っているのでしょうか。それと、体験記に関してはフェアなのか? 最初から「書いてやるぞ」では見えなかった部分もあるのではないだろうか。雇い主の道新の、おかしな部分も書いてください。2010/01/25
うたまる
0
中国共産党機関紙『人民日報』のインターネット部門へ出向した北海道新聞記者の体験記。取り込まれないよう疑問と不信の眼差しで中国を眺めつつ、見事に取り込まれてしまったトホホの書。しかしあの中国によくぞここまで突っ張ったなと思える箇所もちらほらあり、健闘を称えるべきか。尚、中国の報道の問題とは突き詰めれば”検閲”に尽きるのだが、「ああいう書きかたをしないと(中略)載らないんだから、ああ書くのは当たり前なのよ」という中国人の慨嘆は、朝日新聞や毎日新聞にも普通に散見されそうで中国の国情を笑えない。2014/02/05
兵衛介
0
中国の新聞社に派遣された日本人女性記者の体験記。中国ウォッチャーなら読んでおいて損はないかと。2010/01/13
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