内容説明
モンゴル草原や南米大陸最南端をたずねてから15年―。今回シーナ探検隊は北極海周辺に住む少数民族の地を旅することになった。流氷にとざされた白夜の北極圏で、犬ゾリをあやつり、ホヤ漁を体験し、セイウチの醗酵肉によろこびあう。そしてついに氷海の切れ目に伝説のユニコーン「イッカク」を捕った。極限のルポルタージュ。
目次
第1章 ポイント・バローのやけくそ椰子の木
第2章 ツンドラ獰猛蚊とのタタカイ
第3章 アイスプラネット
第4章 イッカククジラをとりにいく
第5章 シベリア・ユピックの心優しき極寒生活
第6章 シベリア・チャプリノ村のアザラシ狩り
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944年生まれ。作家。「本の雑誌」編集長。写真家、映画監督の顔も持ち、幅広く活躍する。’89年に『犬の系譜』(講談社文庫)で吉川英治文学新人賞、’90年に『アド・バード』(集英社文庫)で日本SF大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TALOS
10
椎名誠さんの作品はこれまでたくさん読んできましたが、いつもの旅好きのおっさんの書いたユルイ旅日記といった感じは鳴りを潜め、今作は硬派な書き口で書かれていると感じました。そのためか急速に欧米化していく極北の生活への寂しさや、資本主義経済に巻き込まれてしまった狩猟民族の閉塞感がより深刻に受け取れました。美味そうな異国料理の描写は椎名誠さんの作品の醍醐味ですが、今回は…ものすごいワイルドで勉強にはなりましたが美味しそうとは思いませんでした。2015/05/17
kousei
7
雑魚釣り隊と愉快な面々の文庫も楽しいが極北アラスカ、カナダ、ロシアに暮らす人々との交流が描かれたドキュメンタリーもの。冒険辺境作家の感じで興味深かった。2023/01/02
けいちか
7
ロシア在住なので、ロシア関連本という位置づけで読了。80年代に椎名さんの書いたシベリア縦断の旅のエッセイも以前に読んでいるが、こちらの3カ国にまたがる北方狩猟民族に関するエッセイも興味深かった。2014/02/03
Kazyury
6
シーナさんの北極圏のモンゴロイドを訪ねる旅。 飛行機/イヌゾリ/雪上車/船に乗り、シロクマ、イッカク、アザラシ等を狩るモンゴロイド達(エスキモー、イヌイット)とともに北極圏を飛んで回る。 フィールドワーク的というか文化人類学的というか、単なるオヤジの酔狂レベルではない。流石。 カレールーを節約するために、タバスコ3本は入れすぎでしょう。楽しそうだけど(笑) ただ、海燕のキビヤは、ちょっと自分には無理かも。シーナさんのようになるにはまだまだ修行が必要だなぁ。2017/10/09
るるる
5
シーナはこういうの書かせると生き生きとした文章でいいね。2016/08/28