内容説明
行方不明になった女子高校生の捜索に加わった元保安官コークは、吹雪に行く手を阻まれるが、不思議な影に助けられる。その影こそが彼女の魂なのではないか?ミネソタの大自然と家族を愛する男は、広大な谷がのみ込んでいた真相に驚愕する。アンソニー賞最優秀長編賞を受賞した傑作ハードボイルド第4弾。
著者等紹介
クルーガー,ウィリアム・K.[クルーガー,ウィリアムK.][Krueger,William Kent]
スタンフォード大学中退後、さまざまな職業を経て作家に。『凍りつく心臓』は、アンソニー賞・バリー賞の最優秀処女長篇賞をダブル受賞した。現在、妻と2人の子供とともに、ミネソタ州に在住
野口百合子[ノグチユリコ]
1954年、神奈川県生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業。出版社勤務を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
43
ハンバーガー屋の元保安官コーク・オコナ―シリーズ第4弾。何が良いって言えば全て!ミネソタの北部森林地帯の小さな街オーロラが舞台なんだけどこの土地だからこそか、そこに暮らす人々の生き様が鮮明に表現されていて読んでいるだけで幸せな気持ちになる。事件は陰惨であるけれど関わる人の心情に寄り添ってしまう。もちろんオコナ―の家族も好きになっちゃうしローズ叔母さんも大好き。そんな感情を持てるってだけでも良い作品だわ。容疑者となる少年の哀しいけど成長物語だったね。解説の児玉清が惚れ込むのも分る。クルーガー本当に良い!2016/08/30
おすし
30
「児玉清氏絶賛!」の帯に惹かれて読んでみたら、シリーズ第四弾。児玉清氏は“この一冊”ではなく“このシリーズ”を推していたらしい(笑) とは言え、登場人物の背景とかわかるように描かれているし、独立した一冊として楽しめました。主人公の元保安官コーク・オコナーがとにかく人間を信じている感じが魅力的だし、息つく暇もないような二転三転四転…?!な怒涛の展開に振り回されて気付けば600ページ読み切ってるというエンタメジェットコースターにへとへとです!2021/09/28
ほちょこ
24
当然、保安官に返り咲きしたと思ってたコークは、まだグズってたのか!案の定、アタマの硬い、使えない保安官に邪険にされながらも、事件の真相を追うコーク。そして今回も大自然のスケールの大きさと、ネイティヴの強さとを垣間見る作品だった。2017/09/14
むつこ
19
ミネソタの大自然を舞台に少女の殺人事件を追う元保安官のコーク。「二度も殺された(らしい)少女」と身勝手な大人たちの関わりに怒りが湧きながらも展開がドンドン進んで面白くなるので小説の分厚さや重さが気にならなくなった。自然の描写とザ・アメリカンな人物たちの行動がよかっただけに名前の呼び方に慣れず読むのに時間がかかり辛かった。2018/11/18
あかぽち
17
今回もミネソタの自然の美しさを満喫できました。保安官でもないコークが犯人を突き止めるために、人を疑うのは仕方のない事で、それをめぐってジョーと対立するのも仕方ないのかな。それにしても今度も切ない事件でした。ヘンリーメルーが唯一の救い!2017/10/29