内容説明
伝説のフリーダイバー、ジャック・マイヨール。かつて人は、水深40メートルを超えて素潜りすると、水圧によって死に至ると考えられていた。彼はその常識を易々と乗り越え、イルカへと限りなく近づいていった。海と一体になるための呼吸法など、具体的な考察も訳者により多数追記された、素潜りのバイブル。
目次
第1章 水深一〇〇メートルの壁
第2章 イルカのクラウン~ぼくの恋人
第3章 イルカに近い人間と人間に近いイルカと
第4章 深海への挑戦
第5章 大気に満ちるエネルギーを感じて
第6章 イルカ新時代
著者等紹介
マイヨール,ジャック[マイヨール,ジャック][Mayol,Jacques]
1927年上海に生まれる。1966年、39歳のとき、水深60メートルのフリーダイビング(素潜り)に成功。以後、閉息潜水の第一人者的存在になる。映画「グラン・ブルー」のモデルとしても知られている。2001年12月23日、エルバ島の自宅で自殺をしているのが発見された
関邦博[セキクニヒロ]
1944年香川県生まれ。1967年神奈川大学卒業、1972年フランス、エックス・マルセイユ大学理学部卒業、1976年同大学院修了、理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りー
7
映画「グラン・ブルー」からジャック・マイヨールに惹かれた人は多いと思います。2001年に自ら命を絶ったというニュースを見た時は信じられなかった。生涯をフリーターとして過ごし、生活は厳しく、グラン・ブルーの著作権料は一切入らなかったそうです。「深海の、果てしなく青一色の世界の静寂に包まれてただ一人となる時、時間と空間と光はひとつのものとなり、私は私の呼吸を一時止めて宇宙の呼吸に身をゆだねる。」私たち人間の新しい可能性を切り開いた希有な人。彼が見ていた世界はどんな世界だったのか・・・。2019/06/02
yukinden
3
イルカとともに生き、人類の生命の源でもある海へ還る。映画グランブルー鑑賞後、本書を手に取った。閉息潜水のこれまでの試み、イルカ、海、大地・地球・宇宙のエネルギーについて、訳者の配慮のおかげか、非常に読みやすい内容となっている。一読お勧めする。特に映画を既に見ている人には。2011/04/22
Shota Kumakura
2
ボンベを使わない垂直潜水で、世界で初めて水深100メートルの壁を突破したジャック・マイヨールの本。 ある程度の水深まで海を潜ると、水面も海底も見えず、自分のまわりにはただ深い青が広がっているのみというグランブルーと呼ばれる状態になるという。 精神の乱れが心拍数に影響しないよう心の平穏を保ちながら潜るというが、まだいけると思って潜った数メートルのために浮上が間に合わず死ぬかも知れないのだ。挑戦的素潜り競技の世界の凄さを感じた。2015/04/27
snow_leopard.0081
1
海に潜ることと自分の内部へ入ることは似た行為なのかもしれない。2012/11/23
ゆぱ
1
エコとはエゴである。皮肉ではなく本書を読むとそう感じます。ジャック・マイヨールは海を愛し、イルカを愛しました。いつしか彼は人間とは何であるかを考えました。本書はその克明な記録です。真のエコとは自己意識から始まる、その意味でエコとはエゴであり、それがマイヨールの人生だったのだと私は思います。2011/03/30