内容説明
有鬼派の暴走により始まった、妖怪にまつわる戦いは、穏やかだった美袋学園都市を凄惨な場に変貌させていく。物語は美袋小夜子と白石優の二人から、時実理一と石和百代をめぐるものとして、あらたに語られ、より激しくなっていく。「陰」「陽」のユニークな二部構成で、叙述されていく化野燐の世にも妖しい妖怪奇譚。
著者等紹介
化野燐[アダシノリン]
1964年、岡山県生まれ。岡山県在住。妖怪文人。1999年、「玄想文学」誌上にてデビュー。「怪」、「幽」などに論考・書評を寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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瀧ながれ
25
コンピューターネットワークのなかで構築し成長させた神獣や妖怪の人工生命体を、人間に憑依させることによって現実化する研究。…ってことで合ってるのかな、表現が専門的で、なかなか話の筋を捕まえにくい。でも今回、語り手の一人である石和さんが「一般人」の視点を持っててくれるので(変な能力を持ってるみたいですが)、情景がつかみやすかったです。今回の語り手である、白澤も蠱猫も見えてなつかれる石和さんと、見えないし近寄らせない時実さんという対称的な二人が、今後どういう活躍をするのか楽しみです。龍造寺は殴っていいな(笑)。2016/05/29
しおつう
21
シリーズ2作目。1作目に比べると超常現象を脳の前頭葉に与える刺激の影響と仮定したり、DNAとコンピューターウィルスを例にあげて生命体と非生命体を論じたりと論理的な部分も多くなってきた。そもそも舞台が大学の研究室なのだから当たり前とも言えなくはないが。白澤という妖怪?は畑中恵のしゃばけシリーズでも愛すべき頼もしきキャラとして登場しているが、こちらでも妖怪随一の物知りという設定であった。容貌も良く似た感じなので、それを記した同じ文献を参考にしているのかな?2018/03/31
藤月はな(灯れ松明の火)
19
時実さんの特異体質や石和さんの能力が紹介される巻。時実さんの能力はあのまま、信じることで発揮される。石和さんのあの心境も思えば伏線だったのだなと再確認。あのシーンにはドン引きする人も多かろう。(ノベルスの奴延のイラストはまるでゾンビとキメラの融合体みたいだし…)でも漫画では登場しなさそうだ(泣)ああ、文句を言いつつもまた、読んでしまうんだな…(悩)2011/03/06
ちる
18
あやかしアクションですな。今回の話は時実さんと石和さん、二人の視点を交互に展開して進みます。なかなか楽しめる感じでしたが、ストーリーはあまり進んでいないなぁ。石和さんがいいほっこり感。白澤さんが可愛い。これ、アニメとかで見てみたいです。続きものなので、次巻も読みますぞー。2013/12/05
じゅんぢ
17
話がほとんど進んでない。次の巻では話をどんどん進めてほしい。あと、時実さんの能力、強すぎ。2017/10/14