内容説明
「熱い消防馬鹿なんか真っ平御免」と言い放つ、二十歳の新米消防士・大山雄大。だが、外国人アパートを狙う連続放火事件の消火にあたったことを境に少しずつ変化が起こる。真相に迫るうちに気づかされるのは、選んだ道の正義と誇り、そして消防士だった亡き父の思い。一人の消防士の成長を描いた傑作長編。
著者等紹介
日明恩[タチモリメグミ]
神奈川県生まれ。日本女子大学卒業。『それでも、警官は微笑う』で第25回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yanae
39
ミステリーもからむ消防士の成長物語。この本600ページ超えです。いやぁ長かった(笑)ページ数が多いのは、内容が盛り沢山だから。消防士の仕事や日常だけではなく、外国からの不法滞在者の問題も言及してあったり、主人公の親友二人の過去も追っていたり…と。ちょっと盛り込みすぎ?!って思うところもあったけど、先が気になるのもあって最後まで読みきりました。ミステリー自体の結末は予想がつく感じだけど、それよりも主人公がいかにその問題を乗り切るかに焦点があたっているもの。言葉は汚いけど暖かい主人公に好感が持てます。2013/11/01
siro
33
警察が舞台の作品は好きでよく読むけれど、消防士が主役の作品は初めて読みました。いや~大変な仕事なんですね。消防士さんを尊敬してしまいます。描写がリアルで引き込まれました。主人公の語り口の効果で、消防士が日頃多少は感じているだろう市民への憤りや仕事のハードさがリアルに伝わってくる。そして成長していく過程がとても良い。とても厚い本で少し怯みましたが、読み始めたら一気読みでした。続編も読みたい。雄大の成長ぶりを読みたいなぁ。2013/10/02
夜梨@灯れ松明の火
29
再読。図書館で単行本を借りて読みましたが、長岡弘樹さんの「傍聞き」で思い出し、文庫を購入。自衛隊しかり、警察しかり、消防士しかり…「働く職業人」シリーズ(勝手に命名w)は大好きです。消防士という職業が嫌いな新米消防士の主人公が、放火事件に巻き込まれつつ、成長していく話。主人公の憎まれ口に最初はイライラしますが、主人公自身もわかっていない本音に気づけば、そのイライラも解消です。ちょっとくどいけど(笑)消防士の仕事内容も良く理解できました。わかっていたつもりでも、改めて大変な仕事なのだと頭が下がります。2012/10/11
ぶんこ
18
ロード・アンド・ゴーを読んで、こちらも以前読んでいて、感動していたのを思い出しました。 特に鎮火した後に消防署に戻る時に鳴らすのが、鎮火報といって、周囲の住民に、鎮火しました、安心してくださいと知らせてると知って、強く記憶に残ってます。 消防士さん、救急隊員さん、いつもありがとうございます。
まぁにぃ
17
消防士を主人公にした小説は珍しい。 なじみのない消防の仕事をわかりやすく表現された作品でした。 “やる気のない消防士、大山雄大”が、少しづつ目覚めていく。 そして守、の存在が気になりますね(笑) 2016/02/25




