内容説明
日本に初めてキリスト教を伝道したフランシスコ・ザビエル。中国への布教を熱烈に夢見ながら、目前のサンチャン島で熱病に斃れた彼の最晩年を、三人の弟子を通じて描く。貴族出身で現世的なフェレイラ、日本人のアンジロウ、そして最期を看取ったアントニオ。聖ザビエルの激しい魂が活写された、衝撃作。
著者等紹介
加賀乙彦[カガオトヒコ]
1929年東京都生まれ。東京大学医学部卒業後、病院、刑務所勤務ののちフランスへ留学。1967年『フランドルの冬』で芸術選奨新人賞を受賞。以降、『帰らざる夏』で谷崎潤一郎賞、『宣告』で日本文学大賞、『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞を受賞するなど、活躍を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シン
39
フランシスコ・ザビエルはキリスト教の宣教師として日本へやって来たことで有名であり、日本での布教した時のことも読めるのかなと期待していたのですが、日本での布教後、本当に最晩年の中国へ布教前の話でした。人間の善と悪の感情が入り交じり、正に宗教的なストーリーに感じました。死後、ザビエルの遺体は腐敗しなかったということですが本当でしょうか?2016/03/23
シャーリー
2
ザビエルの日本における布教の失敗を煉獄から来た弟子が指摘するところは、なんだか日本人にはなじめない場面だけど、その内容はしごくもっともで納得がいった。ザビエルの遺体が腐敗しなかったという伝説は本当なのでしょうか?2010/03/09
たぬ
1
★5 ザビエルがとことん聖人。実は男前だったってのは本当なの?2017/05/14
Shoko Chiba
1
筆者の著書は初めて。普段から深い思索をする方なのではないか。企画して、というより、普段考えていることが表れているようなイメージ。筆者はキリスト教徒ということだが、ただ信仰を讃える内容ではない。ザビエルは高潔な人物だが、愛弟子のアンジロウがザビエルに日本布教が失敗した原因は日本を理解せず信仰を押し付けたからだと語る。ここに、昨今の世界情勢の混乱の原因を見るような思いがする。2016/08/25
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