出版社内容情報
〈創作者の家〉の世話をする僕の元にそれはやってきた。胴の一・二倍もある尻尾と五つの肉球を持つブラフマンとの日々を綴る。読めば読むほどいとおしくなる。
胴の1・2倍に達する尻尾の動きは自由自在、僕が言葉を発する時には目をそらさないブラフマン。
静謐な文章から愛が溢れだす。
ある出版社の社長の遺言によって、あらゆる種類の創作活動に励む芸術家に仕事場を提供している〈創作者の家〉。その家の世話をする僕の元にブラフマンはやってきた――。サンスクリット語で「謎」を意味する名前を与えられた、愛すべき生き物と触れ合い、見守りつづけたひと夏の物語。
朝日を遮るものが何もない庭の真ん中に、2人で寝転がる。僕は草の上に、ブラフマンは僕のお腹の上に。
みぞおちに頭を埋め、首の後ろをベルトのバックルで固定し、下腹にお尻を載せている。少しでもたくさん光を浴びられるよう、脚は4本とも水かきを開いてだらんとさせている。僕が深呼吸すると、膨らむ下腹に合わせてうまくお尻をくねらせる。――<本文より>
第32回泉鏡花賞受賞作
小川 洋子[オガワ ヨウコ]
著・文・その他
内容説明
ある出版社の社長の遺言によって、あらゆる種類の創作活動に励む芸術家に仕事場を提供している“創作者の家”。その家の世話をする僕の元にブラフマンはやってきた―。サンスクリット語で「謎」を意味する名前を与えられた、愛すべき生き物と触れ合い、見守りつづけたひと夏の物語。第32回泉鏡花賞受賞作。
著者等紹介
小川洋子[オガワヨウコ]
岡山市生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業。1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。’91年「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞、2004年『博士の愛した数式』(新潮文庫)で第55回読売文学賞、第1回本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で第32回泉鏡花賞、’06年『ミーナの行進』(中央公論新社)で第42回谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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