出版社内容情報
ST翠の孤独と苦悩――
美しき捜査の旋律!
1億円バイオリン盗難と密室殺人の二重の壁
1億円の名器ストラディバリウスが盗難。人気バイオリニストがコンサートのリハーサルの際にすり替えられたのだ。出動したST翠の異常な聴覚に、オーケストラの指揮者・辛島は興味を示す。捜査が難航するなか、コンサートマスターが密室殺人の被害者となる……。翠の苦悩が胸を打つ「色」シリーズ第4弾!
今野 敏[コンノ ビン]
著・文・その他
内容説明
1億円の名器ストラディバリウスが盗難。人気バイオリニストがコンサートのリハーサルの際にすり替えられたのだ。出動したST翠の異常な聴覚に、オーケストラの指揮者・辛島は興味を示す。捜査が難航するなか、コンサートマスターが密室殺人の被害者となる…。翠の苦悩が胸を打つ「色」シリーズ第4弾。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道三笠市生まれ。上智大学在学中の’78年『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞受賞。卒業後、レコード会社勤務を経て作家となる。2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞受賞。自ら「空手道今野塾」を主宰し、空手、棒術を指導(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
195
色シリーズ第四弾。翠は超人的な聴覚を持ち、音楽的ではないものの、あらゆる音を聞き分けてしまう、他人と共有できない孤独な世界に住んでいる。そんな翠が事件に立ち向かう。今野さんはもっとクラシックに詳しいのかもしれないけれど、小説としてはこれ以上言及できなかったのだろうな。最後のコンサートの描写は素晴らしかった。主要人物がヴァイオリニストで、演目が協奏曲なら、カデンツァにもっと言及してほしかったけど。2020/12/03
再び読書
134
安定の面白さです。絶対音感、あらゆる音の中での生活なんて想像できない。緑と言うより、緑と青のエピソードとも言える。また、珍しく密室殺人事件だが、種を明かせば大したことでも無いが、STだと意外に思える。最後に菊川に甘えるというか寄りかかる翠がまた予想外と面白かった。アントニオは情けなく、柚木は最後まで気高かった。辛島の姿勢も素晴らしいく、人間的にも感心しました。特にクラシックには疎く、音楽的な箇所は理解出来なかったが、楽しく読めました。2016/11/05
どんちん
118
色シリーズは、どうやらその専門的な役割ではなく、その他の特性、いわゆる特殊能力を主とした活躍なんだな。もっとも、赤や青は特性(対人恐怖、潔癖症)では活躍できないがw できれば、翠には、聴覚による活躍ではなく、純粋な物理学担当として活躍をしてほしかった。それより、今回は、モスクワから発展した翠と菊川の発展?や菊川&青山のクラッシック好きのタッグなど、新たな人間関係が展開され、非常に読み応えのある1冊だった。また、終盤の演奏シーンには引き込まれてしまい、無性にクラッシックを聴きたくなった、は少し大げさかww2014/11/06
KAZOO
115
STシリーズの色の緑で結城が活躍する巻です。勇気と同じような能力を持った指揮者が出てきます。今回はオーケストラやヴァイオリニストなど音楽関係者が多く、どちらかというと事件よりはそのほうに気をとられてしまいました。最後も結構いい終わり方で私はいつものシリーズよりも好きです。菊川も徐々に一員になってきましたね。2015/08/19
麦ちゃんの下僕
108
オーディオブック+文庫本。シリーズ第7作(「色」シリーズ第4作)は、超人的な聴覚の持ち主である物理担当の結城翠がメイン。海外で活躍する指揮者・辛島秋仁&バイオリニスト・柚木優子の凱旋公演のリハーサル中、柚木所有の名器ストラディバリウスが盗まれた!そしてその捜査が続く中、今度はオケのコンマスが密室で殺害される!!…という物語。先に深水黎一郎さんの短編「ストラディヴァリウスを上手に盗む方法」(『最高の盗難』に収録)を読んでいるので、あのトリックのインパクトに比べるとどうしても地味に感じてしまいますが(苦笑)↓2025/05/24