内容説明
先祖代々、裏山の稲荷神社の巫女を務めるマモルの家にやって来た奇妙な下宿人。腰まで届く長髪に和服の着流しの美青年・守山初彦は、山と古墳をレジャーランド開発から守るために動き出す。守山に連れられ、マモルがまみえた太古からの“存在”とは?第32回講談社児童文学新人賞受賞の著者デビュー作。
著者等紹介
たつみや章[タツミヤショウ]
1954年神奈川県生まれ。明治大学文学部史学地理学科卒。1991年、『ぼくの・稲荷山戦記』で第32回講談社児童文学新人賞を受賞してデビュー。その後、『夜の神話』(第41回産経児童出版文化賞推薦)、『水の伝説』(第43回産経児童出版文化賞JR賞)の『神さま3部作』を発表。『月神の統べる森で』で第37回野間児童文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のほほん@灯れ松明の火
28
本棚どころか本棚周辺までもが すごいことになっているので、一念発起で年末までに積読本を減らそうと!思いました。 その1冊目です。 人間と自然の関係、神様と人間の関係が、難しい言葉を使わずに、淡々と描かれているように感じました。 便利になるのは、やっぱり助かりますが、大事に残していかなければいけないものについて、考えさせられるお話でした。2010/09/30
90ac
14
児童文学を大人にも読んでもらえるように改稿したらしい。神社の巫女を代々勤めてきた森田家の長男が裏山のレジャーランド開発計画を食い止めようとする話。児童文学作品らしく柔らかなタッチでほのぼのとするような雰囲気を漂わせている。地上にある草木や生き物達にはそれぞれ神がいるという考え方は日本人の原点にあるはずで、それを今でも守り続けているのは蝦夷の地の“アイヌ”であるとあとがきで触れている。自分自身信仰を持ち合わせていないが、何か眼に見えないものに感謝の気持ちを持つことは大切なことであると思っている。2011/09/30
seri
9
児童書、というよりホントに児童向け書。ファンタジーというよりは完全に寓話。強いメッセージ性をもつ話として楽しめたんだけど、主張が些か強すぎて、物語が主張のおまけになってる印象も。マモルが中学生の割に幼すぎるように思えて、感情移入しきれなかったのが敗因。巫女の家系とか、マモルの才とか、その辺りの設定をもっと生かして欲しかったな。エコが叫ばれる昨今だからこそ、子どもに読んで欲しい作品ではある。ただ大人が読むには少し詰めが甘いかと。2011/01/15
頼ちゃん
8
前の学校では単行本しかなく、ちょっと表紙が古臭い感じて、ほとんど手に取られませんでした。新しい学校で文庫がありました。 内容、よかったです。「ちゃんと実在しているのに否定され、否定されることで存在できなくなる」という言葉が心に残りました。 昔は本当に人々の日常、心の中に神様はいた、実在してたと思います。2018/05/10
雨巫女
8
稲荷山は守れなかったが、何か大事なものは取り戻せたと思えた。2010/05/17