内容説明
27歳。やっと楽しくなってきた仕事だったのに会社はあえなく倒産。結婚の予定もなくいまだ親元住まい。現状を打開しようと、麻子は一人暮らしをはじめた。そこへロンドン帰りの親友が転がり込み一気に二人暮らしに。前社長の紹介でウェブ関係の職につくと、麻子に突然恋の嵐が吹き荒れる―。爽やかな長編小説。
著者等紹介
阿川佐和子[アガワサワコ]
東京都生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。1983年より報道番組「情報デスクTODAY」のアシスタントを、1989年からは「筑紫哲也NEWS23」のキャスターを務めた。1992年からアメリカに遊学。帰国後「報道特集」のキャスターとなる。現在は、週刊文春の対談連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」でのインタビューや、エッセイストとしても大活躍。檀ふみ氏の共著『ああ言えばこう食う』(集英社文庫)で1999年講談社エッセイ賞を受賞。また初の小説『ウメ子』(小学館文庫)で坪田譲治文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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siro
35
取り立てて大事件が起こる訳でもなく、熱烈な恋愛模様が描かれているわけでもないけれど、主人公の女性に共感する部分も多く読んでいて気持ちのいい文章でした。アパートに暮らす人達の屋上での楽しそうな集いに是非とも参加したい。羨ましい。もうちょっと先まで読みたいなと思わせる余韻も好ましかった。2015/06/10
ほほほ
27
長編。30歳目前の麻子が、ひとり暮らしを始め、仕事をし、恋をし、アパートの住民たちと猫のように気ままに暮らす毎日を描いたお話。主人公は端から見ると気ままだけど、本当はいろいろ考えてて、小さな小さな感情の動きは共感するところ多々でした。揺れ動きながらも、結局のところ自由な身分を望む麻子の気持ち、よくわかる。長澤まさみさん主演のドラマもお気に入りで何度か見たけど、題名といい、和田誠さんの表紙イラストといい、本の雰囲気が自分の好みどストライクな感じだったので購入しました。食べ物の描写も盛りだくさんで大満足。2015/09/07
赤い肉球
22
阿川作品、4冊目。面白かった!他の作品もそうだけど、阿川さん本人を頭の中で描いてしまう。同じアパートの住人達と仲良しになるなんて、私にはなかったから、羨ましい。そしたら独り暮ししても寂しいなんて思わないもんね♪個性的な住人達の登場のさせかたが上手く、すぐに物語に入り込めて、サクサク読めた。恋愛の行方が気になっだけど、中途半端で終わってしまってとても残念。料理のシーンがうまく書かれていて、お腹が空いてしまったよ。2016/10/02
との@恥をかいて気分すっきり。
17
27才になる麻子は屋上のあるマンションで一人暮らしをはじめる。そのマンションには一風変わった住人が済んでいて、屋上に集まってはビールを飲んでいる。そんな暮らしの中で恋愛や仕事で揺れ動く麻子…。ある意味阿川さんの自伝的な面もあるのかなと思って読みました。2013/08/27
ミキティ
8
阿川さんのキレのあるエッセイが好きですが、小説初読み。小説も同様に言葉巧みで引き込まれおもしろくてどんどん進む。変わったアパートだなぁ。住んでる人達が個性的、だけどフレンドリーで、屋上でのコミユニケーションが楽しそう。会社の人間関係でもお見合いでもひと騒動あり、その男女の関係が興味深い。それからどうなるの?で終わってしまい、その後が知りたくもある。猫のようにジャンプできたのだろうか?2021/04/26
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