内容説明
息子新一郎のために臨時廻りに転じた同心伊兵衛。事件は一筋縄でいかず、妻萩乃との縒りは戻りそうにもない。新内の師匠おさわが唯一の安らぎだった。だがおさわに、呉服問屋松島屋の後妻の話が舞い込み、伊兵衛の心は揺らぐ。しかも縁談に反対していた松島屋の娘が拐されたというのだが。
著者等紹介
押川國秋[オシカワクニアキ]
昭和10年宮崎県生まれ。中央大学法学部卒。東映脚本課を経てフリーの脚本家に。『遠山の金さん』『人形佐七捕物帳』『旗本退屈男』など、おなじみの映画・テレビドラマの脚本を手がける。平成11年、『十手人』(講談社文庫)で第10回時代小説大賞を受賞。最後の受賞者となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山内正
3
日下伊兵衛は別れた女おさわから お店の旦那の妻に来て欲しいと相談された娘が拐かされたがと! (嫌ならよしゃあ良いじゃねえかそんなもの)(あーだからよしゃあ良かった)家に帰って新一郎から殺しの探りを相談された! 頭と体が別々な日が続く。 おさわはこの後一生新内の師匠で病の時や老いて一人で生きて行く事を考えた時日下伊兵衛の事は心に無かったが今娘をが拐かされ事に疑念が湧いた。 新一郎の殺しと娘の拐かしが一つに重なり大店の仕組んだ事と伊兵衛は 事件を明らかにしようとしたが 主が卒中で店で倒れた。2018/07/29