内容説明
夏期講習を抜け出した14歳の真名子は、広い庭のある古びた家が気になって、入り込んでしまう。そこでは青年がひとり静かな時間を過ごしていた。彼と話していくうちに、真名子の悩みが少しずつ明らかになる。友情、家族、進路、誰もが共感する、思春期の苦悩を瑞々して筆致で描いた講談社児童文学新人賞受賞作。
著者等紹介
梨屋アリエ[ナシヤアリエ]
1971年、栃木県生まれ。東京都在住。『でりばりぃAge』で第39回講談社児童文学新人賞受賞。『ピアニッシシモ』で第33回日本児童文芸家協会新人賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
76
思春期の苦悩がみずみずしく描かれていました。14歳、子供というには大人、大人というには子供という難しい時期の想いがストレートに伝わってきます。大人に見られたいけれど、女の子ではありたいという気持ちがあるんですよね。淡々と時間を過ごしてきたからこそ、そういう想いを抱けるのが少し羨ましいと思いました。2018/06/09
ひめか*
28
中学生女子のひと夏の物語。思春期真っ盛りで、早く大人になりたい、お母さんは自分のことわかってくれないとか、そういう複雑な女の子の気持ちがよく表れている。早く大人になりたいけど、大人になったら女になってしまうから嫌だ、とか、夏期講習抜け出してしまうとか…思春期の苦悩を瑞々しく描く、まさにそんな感じ。ちなみに、私は思春期にあまりこういう感情を抱いたことはないから共感はなかったけど、これが思春期なんだよなと思うところはあった。庭に干してある布団が気になって入り込んでしまい、ローニンセイと出会うという設定は好き。2016/10/07
ドシル
10
中学生の女の子の夏休みの体験物語。家族との関係や友人との関係で、思春期の悩みや葛藤が描かれている。過ぎてしまえばなんてことないけれど、この年頃にはあることだなと思いながら読んだ。自分の存在意義を考えたり、何もしてないけど自分の些細な言動が他人を救ったりキズつけたり。ありふれているけど、ちょと元気をもらえる作品かな。2016/07/25
yupi
9
初、梨屋アリエさん。夏期講習に来ている主人公。閉塞感から飛び出してしまうのだが、映像が浮かぶような勢いのある文章。少し大人になりかけている子どもの持つ悩みをうまく表現している。特に母親に対する苛立ちは、手に取るようにわかる。自分が中学生だった頃を思い出しながら、今、母親としての立場で読むとちょっと耳が痛いかな^^;2013/02/02
april-cat
9
梨屋アリエさんのデビュー作になるのかな?自分でも後書きで書いてらっしゃるけど、主人公も作者もいろいろと必死で未熟感満載なのが面白い。お母さんが相当ウザく、馬鹿っぽく描かれていて、なんだか可哀想、とか思っちゃうのは自分がハハオヤになったからかな。でもこういう時期あるよねぇ、親の不出来なところが潔癖なほど許せないって。私としては『空色の地図』の方が好み。2013/01/31
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