出版社内容情報
宮本武蔵が撃つ!柳生宗矩が斬る!
死を賭して得た剣名、生を捨てて得た剣技、何人にも負けるわけにはいかない――。宮本武蔵の最後の戦い、神子上典膳の師の後継を争う決闘。柳生但馬守宗矩の野心のための斬り合い。諸岡一羽斎、愛洲移香斎など、歴史に名を残す名剣客の決闘シーンを、剣の一振り、刃光の閃きまでもリアルに描く剣客小説。
藤沢 周平[フジサワ シュウヘイ]
著・文・その他
内容説明
死を賭して得た剣名、生を捨てて得た剣技、何人にも負けるわけにはいかない―。宮本武蔵の最後の戦い、神子上典膳の師の後継を争う決闘。柳生但馬守宗矩の野心のための斬り合い。諸岡一羽斎、愛洲移香斎など、歴史に名を残す名剣客の決闘シーンを、剣の一振り、刃光の閃きまでもリアルに描く剣客小説。
著者等紹介
藤沢周平[フジサワシュウヘイ]
1927年、山形県生まれ。’73年「暗殺の年輪」で直木賞を受賞し人気作家になった。’86年「白き瓶」で吉川英治文学賞、’90年「市塵」で芸術選奨文部大臣賞。’97年、69歳で死去。上杉鷹山を描いた「漆の実のみのる国」が絶筆となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケンイチミズバ
114
老いた武蔵を厠での残尿感で表現する文章に驚きます。年寄って刀を持つのも大儀になるから書だの絵だのやり出すんじゃねえのか?少しもったいつけてやれば、みんなが喜ぶからな。粗野な物言いだが言ってることにまんざらでもないと。まるで若い頃の自分を彷彿させる無礼な男。後世に兵法を残すべく五輪書執筆でそれどころではない武蔵を外に引き出そうとする若者の挑発にのってしまう。どうせ百姓あがりと見くびるが、手合わせして体がすくむ。本物だ。どうにか引き分けるがこのまま生かして返せばどんな噂がたつやもしれぬ。藤沢周平による武蔵像。2020/08/17
ふじさん
82
「二天の窟」は、剣豪の宮本武蔵が主人公として登場し、作者独自の解釈と視点で武蔵の晩年を描いた異色の作品。偶像化された彼の晩年の老いと戦いながら生きる姿を巧みに表現している。「死闘」の神子上典膳、「夜明けの月影」の柳生宗矩等、生死の狭間を駆け抜けた剣豪たち。藤沢周平巧みな迫真の対決描写を通して、剣客たちの生き様が見事に描かれた藤沢周平の傑作剣豪小説短編集。 2021/06/20
びす男
77
「勝敗はつねに紙一重であることを承知していた。その紙一重をつかみとるのが、勝者というものだ」。決闘にまつわる物語が収まる短編集。決闘にもつれ込むまでの展開を楽しみつつ、いざ鞘を抜けば藤沢周平の緊張感と疾走感あふれる描写を味わえばいい。歴史背景や人間関係の説明に念入りなそれまでの流れを断ち切るように始まる決闘シーンには、名人が目の前で剣を振っているような凄みがある。的を絞り、要点を外さずに書く。読者に目移りを許さない書き方だ。文章を書くうえで、緩急こそ極意のひとつではないかと感じさせられた。2017/03/05
ぶんぶん
23
【図書館】史実の人を取り上げた小説、時代小説と言うより歴史小説と言って良い位。 二天一流・宮本武蔵、伝えられるほど無双でも無かった感じで描かれている。 御子神典膳は善鬼との性格がだいぶ違っていた事が面白かった。 柳生宗矩は若い時から野望家だった事が判る。 「柳生一族の陰謀」通りだった。 愛洲移香斎については良く知らなかったが、この本では「達人」に描かれている。 凄まじい爺ちゃんである。 藤沢周平が描く剣客列伝、新解釈もあり、また藤沢節が出ていて取っつき易い剣客伝です。2022/04/21
にゃんにゃんこ
19
宮本武蔵、小野忠明、柳生宗矩等の剣豪たる由えの宿命を描く。小野忠明(小野派一刀流始祖)の話は初めてなので面白かった。どの作品も、歴史上存在した人が登場するので、歴史好きも楽しめる。短編集だが読み応えがあって、僕的には良かった。2024/07/27
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- 和書
- 川のほとりの大きな木