内容説明
離婚後快感にめざめ、セックス依存症になった女性。自信を持つために2年間で8回の整形をした女性。日常から離れたくてアルバイト先で別の女を演じる女性…。誰もが心に抱えている依存は、どのような時に依存症という「病」に変わるのか?丹念なルポからあぶりだす現代人の心の病理。
目次
第1章 「依存」と「依存症」のはざまで(ブランド品依存1 将来が不安;ブランド品依存2 自信が欲しい;治る依存症、治らない依存症)
第2章 「男と女」にすがりつく(不倫依存は男の証し?;セックスでさびしさを埋めて;快感に溺れて;整形で恋愛依存から抜け出せた?)
第3章 適度な距離が保てない(尽くしすぎたあげくのストーカー;息子依存の母;心のケア依存症;かわいすぎるペットに依存)
第4章 誰か私を止めて!(兄への反発からパチンコへ;将来の夢を競馬に託して ほか)
終章 依存症よ、ありがとう(依存症で得るもの、失うもの)
著者等紹介
衿野未矢[エリノミヤ]
1963年、静岡県生まれ。立命館大学卒業。慢画誌の編集者を経て独立。幅広い取材をもとに、現代人の心の奥底にせまる執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
527
ここへは書かないが、わたし自身、過去も現在もいろいろな依存に陥った経験がある。一例をあげると現在、スマホに依存している人は少なくないのではないか。今作中では、ギャンブル、恋愛、セックス、リスカなどに依存してしまった人々の経験談と現在。始めは「自分に限って。自分は大丈夫」が発端、ところが快感を認識してしまった脳は、一度知ったその快感を忘れることができないのだそうだ。依存をやめたのは意外に「小さなことがきっかけ」が多い。ふーむ。社会生活に支障がないくらいの「依存」はいいんじゃない?と納得させて本を閉じた。2022/08/21
魚京童!
11
依存症でもかまわない。2018/09/16
うずまきねこ
2
話自体は体験談を基に淡々と進んでいてちょっと退屈。でも好きだと思っていた事が苦痛に感じ始める時期が依存症の自覚だと分かり、目からウロコでした。みんな止めようと思ってもそれができずに悪循環を作り出しているようです。個を固める代替物が欲しいのかもしれません。自分の場合、それが「読書」になってしまいそうです。2010/10/26
aftonpsalm
1
依存症とそれに関連する「認知の歪み」を多くの例からわかりやすく書いた本。最終章の「強さが"弱み"となって依存症におちいったのだし、同時に、本質的な強さがあるからこそ、脱出もできた」「依存している自分を認め、許し、楽になったからこそ、つっかえ棒がいらなくなり、脱出できた」という箇所には考えさせられた。自分の持つ弱さは自分の強さの裏返しである事を自覚して、まるごと認めてあげられるようになりたいと感じた。2011/12/16
numainu
1
評価D2006/02/10