内容説明
政治改革と金権体質打破を呼号しては国民に一瞬の希望と深刻な幻滅を与えた数々の「新党」。離合集散は政界の常とはいえ、その姿はあまりにも哀しい。総選挙で小泉自民党が圧勝した今こそ、個々の政治家の過去の軌跡を検証する必要がある。新自由クラブから国民新党まで、永田町を舞台の愛憎劇。
目次
解散―執念の郵政民営化。小泉純一郎は「国民に信を問う」
第1部 新自由クラブ始末記(喝采―亡父の遺志を継ぐ河野洋平;躍進―大ブームでロッキード総選挙に圧勝;内紛―深まる河野・田川と山口の対立 ほか)
第2部 「県知事コンビ」の夢(貴種―名門の血筋に期待の日本新党ブーム;連立―五五年体制崩壊!細川政権の誕生;突貫―武村正義の野心と政権中枢入り ほか)
第3部 小沢一郎の栄光と挫折(剛腕―経世会の血で血を洗う抗争劇から新生党が生まれる;権謀―超短命の羽田内閣と新・新党構想;軋轢―小選挙区制導入と創価学会の後押し ほか)
著者等紹介
浅川博忠[アサカワヒロタダ]
1942年東京都生まれ。慶応大学商学部卒業。(社)時事問題研究所常務理事などを経て、政治評論家に。東北福祉大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちょーのすけ
3
何かと評判が悪い自民党の二階さん。小沢一郎側近だったはずがいつの間にか自民に戻り、そしてまたいつの間にか自民党の最高実力者となっているのが不思議。その謎の答えは書かれてませんけれど(2005年出版の本だから)、小沢一郎がろくでもない人間だということはよくわかった。2021/11/06
kinupon
1
本書が書かれた8年前と、ほとんど何も変わっていない今の日本の政治体制がある。歴史は同じことの繰り返しと言うことがわかる。2013/01/02
南註亭
1
確認したいことがあったので再読。やはり政治をここまで混乱させた淵源は武村と村山だったということが再確認できた。この2人のなんでもありが後の小泉につながったということだろう。あと292ページに掲載されている野田佳彦のアホな写真は貴重である。古本屋で105円で見つけたら買ってもいいが、定価で買うほどの本ではない。2012/04/01
うたまる
1
著者は、河野洋平、細川護煕、武村正義、小沢一郎ら新党の旗手たちが、トップリーダーとしての資質に欠けたと分析するが、これはもちろん結果を見てからの後付け。また純粋な理想追求でなく、政治の世界独自の権力欲や名誉欲が大きく絡んでいた、というのも一般社会と同じ。しかし、よく整理してあるので、一つ気付かされた事がある。このような政治のダイナミズムは常に、改革を訴える革新陣営からではなく、本来守旧派であるはずの保守陣営からのみ起こっているということ。何やってんの左は?2012/02/02
南註亭
0
保守政党の離合集散について書かれた本。個々のケースだけでもそれぞれ1冊の本になるのだが、それを文庫本1冊に凝縮するには少し無理があった。詳しく知りたければ大下英治の一連の作品を読んだほうがいい。それでも本書だけの記述もあり、それなりに参考にはなった。2005/12/02