内容説明
徹底的な調査、計測、尾行、記録の上に大胆極まる推理を開陳。追われる者は本能的に左回りの道を行くというのは本当なのか?路上観察の達人が観察から一歩踏み出した、目からウロコの調査リポート。日本最初の喫茶店、世界最古の雪ダルマ、忍び返しの楽しみ方など、魅力的な謎満載。伝説の奇書が蘇った。
目次
何がきっかけになるかわからない
漱石『吾輩は猫である』の猫の子孫を探す
なんじゃもんじゃの正体
当たりクジ付アイスキャンデー当たりの確率
雷獣は何処へ行った
ビン入り牛乳の誘惑
宝珠と擬宝珠
右回転と左回転
二十面相がかくれたマンホール
石の生命力〔ほか〕
著者等紹介
林丈二[ハヤシジョウジ]
1947年東京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト。武蔵野美術大学卒業。調査マニアで、穴開きブロックのパターン調べ、都内各駅切符のパンチ屑収集など、どんな瑣末なことにも探究の目を向けデータを集める。日本国内にとどまらず欧州にまで調査に出掛けた、マンホールの蓋研究が話題を呼んだ。路上観察学会の一員としても活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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へくとぱすかる
23
路上観察とは言っても、トマソンとは少し方向が違う。犬や猫の追跡までやってしまうのだ。確かに路上にいる者には違いないけどね。ひょっとしたら漱石の猫の子孫かも、という猫を探したりするから、なかなかあなどれないものがある。表紙は今は(取材当時も)ない「東大牛乳」のビン。消えてしまったメーカーの牛乳ビンは、魅力的である(そう思っている人は案外多いという気がするのだが……)。2015/09/18
kinkin
8
著者の手にかかるとまったくありふれたモノが、深みのある観察の対象になることに驚いた。とことんという言葉がとても当てはまる。2012/10/17
うたまる
4
気になったことをなんでもやってみるという路上観察の実践の記録。他愛もないこと、意外に奥が深いこと、とにかくくだらないことなど、特に意義はなくともこのような時間の使い方が読んでいてほのぼのと羨ましくなった。自分でもやってみたいのは「放し飼いの犬を尾行」と「狛犬なのか獅子なのか」、胸がときめいたのは「理想の小屋作り」と「屋台巡り」、好奇心をくすぐられたのが「謎の文字」と「右回転と左回転」。別に考証がなくたって系統がなくたって構わない。ただゆったりと興味のままに動くのがいい。合理性と効率から逃れたいのだろうな。2017/11/13
かりかり
2
「キツネうどんの周辺」は圧巻2017/03/18
いちはじめ
2
よくもまあ、こんなところに目が届くなぁ。路上観察学の好きな人なら楽しめる。2005/10/29