内容説明
希望を失い、にわか地上げ屋となった中年男。路地裏の古アパートに居座る奇妙な男と酒を飲めば、喪失感に満ちた過去へと意識は引き戻される。死んでしまった同棲相手や裏切られた友人。陰陰滅々とした雨の向こう側に、生の熾火は見えるか。第123回芥川賞受賞作。受賞後第一作「ひたひたと」を同時収録。
著者等紹介
松浦寿輝[マツウラヒサキ]
1954年東京生まれ。小説家、詩人、映画批評家。現在は東京大学大学院総合文化研究科教授。2000年に『花腐し』で第123回芥川賞を受賞
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