内容説明
テロリスト集団との息詰まる神経戦。NY市警が誇る凄腕人質交渉人シュレーダー警部の様子がどこかおかしい。組織間の政治的思惑、イギリス軍情報部マーティン少佐の暗躍に翻弄されながら、警部補バークは秘策を探り続ける。爆破か突入か。随一のストーリーテラー・デミルのサスペンス大作は、衝撃の結末へ。
著者等紹介
デミル,ネルソン[デミル,ネルソン][DeMille,Nelson]
1943年ニューヨーク生まれ。1985年ヴェトナム戦争をテーマにした軍事法廷小説『誓約』で注目を浴びる。その後、話題作を次々に発表。アメリカを代表するミステリー&エンタテインメント作家のひとり
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
56
たった12時間の人質立て籠り事件が1000頁越えを漸く読了。疲れた。アイルランドって大変な国だな。そして移民の国だと良く分かった。ヒッキーによるTV演説で心動かされるのは悪の手立ての何者でもない。卑怯な手段も正当化させてしまう恐ろしさ。さらにその上を行くマーティン少佐。あぁ長かったわ。2022/06/12
KAZOO
38
何でこの作家を読もうとしたのかを思い出しました。ネルソン・デミルとマイクル・コナリーは児玉清さんがご自分の自作の中で紹介されていて面白そうだとチェックしていたのを思い出しました。児玉さんは長いものが好きで最初に原書で読んでいたようです。当時としてはかなり緊迫感があってよかったのでしょうが現実でそれ以上の事件が起きてしまうと少し下巻などは冗長間が漂ってきます。原書で会話などやり取りを読むと感じが違うのかもしれません。2015/01/13
對馬 正晃
7
下巻後半からの大聖堂攻防戦はまさに怒涛の展開で、いままでの苦労(?)が報われた気持ちがしました(笑)。アイルランド文化やIRAの歴史に触れることはできますが、エンタテインメントとしてはやはり冗長な感じがしますね。テロリストの首領のカリスマ性がちょっと欠けていたのは、元メンバーとの復縁エピソードを描きたかったからなのでしょうが、読んでいる方としては「なんだかなぁ・・・」と思ってしまいました(苦笑)。やっぱりジョン・コーリーシリーズが読みたいです☆2016/04/23
Tetchy
4
実際、ニューヨーク大聖堂籠城事件をテーマとして扱った本書は上下巻合わせて約1,070ページもあり、下巻の350ページ目でようやく銃撃戦の幕が開く。それまでは発端と犯人とネゴシエイター及びバークとの頭脳線を中心として物語が流れる。これはアクション巨編としては読者にストイックさを要求する構成で、物語の持続性を保つのにはいささかエネルギーが欠けている。そういった意味でもエンターテインメント作家デミルとしての青さが目立つ。しかも結末の仕方もなんとも消化不良。結末よければ全て良しだが、本書はそれに当て嵌まらない。2009/09/11
メコノプシスホリデュラ
2
終盤の怒涛の展開はさすが。私はこの手のストーリーの常として犯人(テロリスト)側にけっこう感情移入してしまうが、いろいろ含めてまあ納得の結末ではある。フリンの指輪にはもう少しなにかほしかったかも。サスペンスものだし深い人物描写は期待していないが、主要人物でアイルランド系のバーク警部補の内面にもいまひとつ踏み込めてない気がしたのは、良くも悪くも作者が(たぶん)アイルランド系ではないからでしょう。作者は24歳時にヴェトナム戦争に従軍し、その体験を下敷きに『誓約』を書いているらしい。これはぜひ読みたい。2015/07/27