内容説明
黒木は暴力団に巨額の損失を与え、追われる身だった。その行方を知るべく、彼らは卑劣な手段で達夫を脅迫した。そこに凶悪獰猛な赤目の男・カイバラが介入、達夫の恋人・真紀を誘拐する。そのとき皮肉にもシラヒゲの能力は尽きようとしていた。カイバラの挑発に単身敵地に乗り込む達夫。はたして真紀を無事救出できるのか。
著者等紹介
藤原伊織[フジワライオリ]
1948年大阪府生まれ。1973年東京大学文学部仏文科卒業。1985年「ダックスフントのワープ」で第9回すばる文学賞受賞。1995年『テロリストのパラソル』で第41回江戸川乱歩賞を全選考委員の絶賛をあび受賞。同作品は翌年、第114回直木賞にも輝く
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
152
読み進めていて、ずっと違和感がありました。その違和感の正体がつかめぬまま、終盤を迎えてしまい、なんとも言えない読後感を味わいました。決していいとは言えない読後感ですが、違和感の正体はおそらくファンタジー要素だったのではないかと。過去これまでの伊織さん作品になかったテイストが、ずっと馴染めぬまま読み終えてしまいました。漫画『寄生獣』を彷彿させる展開で、純粋にハードボイルド風味を期待していた自分には最後までフィットせず、主人公の強がりキャラにもハマらず…。しかし大人のオトコ達はとても魅力的に描かれていました。2017/12/04
KAZOO
110
下巻に入るとスピード感がましてきます。主人公とは異なり蛇に取り付かれたような敵役との対決が中心となってきています。まるでドラゴンボールの対決を見ているような気がしました。たった数日間のことが書かれていて、蚊トンボの寿命もそれくらいなのでしょうか?最後は、蚊トンボとともに主人公も・・・・。エンターテイメントとして楽しめました。2018/01/10
セウテス
95
達夫に固執し暴走し始めるラスボスのカイバラは、真紀を誘拐し挑発をしてくる。達夫は1人敵の待つ地へ向かうのだが、頭の中の白髭にも寿命という最期の時が近付いていた。たった3日間の出来事ながら、確かに冒険であったと思う。国や社会の基準に只々準ずるのではなく、人として悪意には折れない、これを達夫のアウトローな生き方とでも言うのだろうか。大工や水道管工の親方、謎の隣人黒木、やくざの瀬川と、カッコいい男と感じるなら本作は正解だ。蚊とんぼの儚い一生と、達夫の走り抜けた人生が重なる終幕は、頭の中で映像が焼きついたようだ。2019/11/26
森オサム
63
下巻読了。んー、って感じ。上巻読了時の絶賛からは、大幅後退の印象となりました。主人公は20歳にしては老成してんのかな?、と思っていましたが、壊れている、の方が近い気がする。ハードボイルドだからねぇ、意地を張って筋を通す、とか、やせ我慢して平気な振りをする、とかは良いんだけど、周りの人たちへの対応や金の使い方、ラストの行動は、ただの変人にしか見えない。と言う訳で、主人公から心が離れたので少々残念な感想では有りますが、逆に白鬚は良かったよ!。そうか、タイトル良く見ないと。白鬚の冒険って書いて有るじゃ無いか!。2020/01/19
k5
53
20歳にして解脱している主人公、達夫の頭に棲みついた蚊トンボ、白鬚はど根性ガエルのようで、しかし筋肉と記憶を操作して特別な力を与えてくれます。そして巻き込まれ型の主人公は、自分にとって何の得にもならない冒険をすることに。王道冒険小説のプロットを不思議かつ下町チックなファンタジーで包んだ異色作ですが、すごく好きでした。語弊を恐れずに言えば、やらしいところがない村上春樹みたいな。2026/01/23




