内容説明
岸和田の“ごんた”たちの小学生時代。チュンバ、小鉄らは、しょうもない大人に囲まれ、ケンカも賭の対象に。チュンバはクラスメイトの鈴野里美を好きになり、彼女が拾った犬にスズと名をつけ飼いはじめる。そんななか、おとんに愛想をつかして、おかんが家を出てもうた!好評シリーズ第3弾の映画化原作。
著者等紹介
中場利一[ナカバリイチ]
1959年、大阪府・岸和田市生まれ。高校中退後、「本の雑誌」への投稿がきっかけで、’94年に自伝的小説の『岸和田少年愚連隊』(本の雑誌社刊、講談社文庫収録)でデビュー
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感想・レビュー
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chiru
103
「どないしたらどつかれへんようになるん?」 「簡単や。先にどついたらええねん」。岸和田に育てられたチュンバのごんたな小学生時代を描く第三弾!小学生なのにタバコをふかし酒臭い息はおとん公認。常識外れの日常は目眩を起こすほどユニーク!読み始めからすぐ絶叫😱お父んとおじんの「男教育」は斜め上どころか桁外れ!母親の家出騒動、捨て子騒動、ガキ同士の誓い、キュンな初恋…。無意味などつきどつかれを繰り返すだけなのに、彼らの日常はなぜ瑞々しいんだろう✨ チュンバのでこぼこな青春は始まったばかり。第四弾も楽しみ!★5 2022/02/15
10$の恋
36
「ノコギリで頭どつかれてん」。血まみれでもアッサリ言うのは小五のチュンバ。「ふ~ん。で、どっちが勝ったんじゃい」て聞くおとん。まことにアジャパーな親子。のちの盟友“小鉄”、宿敵“定”とのエピソードがどっさり、チュンバの淡い初恋もあるで。やっぱ彼らの小学生時代を知っとかんとね!ま~ぁ、チュンバのおとん・おじぃ、無茶苦茶や。そら、おかんも家出するわ。昭和の岸和田の悪ガキ日常譚、大人も子供やな。中場さん、あんた心を子供の頃に戻して、ごんたしてた時の思い出ブチ込んだやろ!そやから、明快な物語よりリアル感あったで。2022/02/09
らくだ
4
チュンバや小鉄の小学生時代。ケンカと友情と初恋といったお約束の題材だけど、ケンカにに鉛入りの縦笛や製氷用のこぎりを持ち出すところは、さすが岸和田(^^;)。2013/04/21
はいから博士
1
暴力描写はからりと明るく、心理描写はウエットな中場さんの特徴がよく出た一篇。このバランス感覚が絶妙なこと、岸和田の言葉のリズムの心地よさが最大の魅力ですね。2010/08/28
うりぼう
1
望郷編といえば、「男はつらいよ」を思い出す。どちらも半端者の人情喜劇。2005/05/05