内容説明
生き急ぎ、駆け抜けてきた。そんな風にしか生きられなかった人生を振り返ったとき、確かめずにいられない「過去」が浮かび上がる。死んだ友、別れた女、振り切るようにして捨ててきた故郷。今も胸に残る思い出を頼りに、再び訪ねゆく先は…。著者の心情が最も強く投影された、抒情豊かな八編の作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カノープス
1
久しぶりに読んだ志水辰夫は変わることない志水辰夫だった。一切説明無く始まる書き出しから徐々に話の背景と全体が見えてくる構成。この突き放し方がシミタツらしくて良い。後ろめたい過去を背負って生きてきた男達を描かせたら抜群である。いつも読んでいて感じるのは藤沢周平に近い感覚。大げさでなく、【藤沢周平が書いた現代もの】ではないかと錯覚するような瞬間があったくらいだ。収められた8編が過去と向き合うものばかりなのはどうしたものかと思ったが、あとがきを読んで納得。タイトルの意味も含めて胸に落ちる気がした。2024/05/25
takahiko
1
人生はいずれ過去と対峙しなければならない。個人的ベストは、「旅のあとさき」です。2011/05/03
Akihiko Kimura
0
いい本だったな。ごくごく平凡な主人公。でもその彼には、人には語れない過去がある。昭和という時代と併せ、やるせない闇を描いてるね。2018/05/02
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