出版社内容情報
閉ざされた研究所 発見される死体
土井超音波研究所、山中深くに位置し橋によってのみ外界と接する、隔絶された場所。所内で開かれたパーティに紅子と阿漕(あこぎ)荘の面々が出席中、死体が発見される。爆破予告を警察に送った何者かは橋を爆破、現場は完全な陸の孤島と化す。真相究明に乗り出す紅子の怜悧(れいり)な論理。美しいロジック溢れる推理長編。
プロローグ
第1章 山奥に研究所があった
第2章 研究室には死体があった
第3章 とりあえず現状を把握する
第4章 みんな眠ってしまう
第5章 もう一つとんでもない死体
第6章 話し合わずにいられない
第7章 刑事が二人になっても同じ
第8章 さて戦慄の一夜が明けて
エピローグ
森 博嗣[モリ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
土井超音波研究所、山中深くに位置し橋によってのみ外界と接する、隔絶された場所。所内で開かれたパーティに紅子と阿漕荘の面々が出席中、死体が発見される。爆破予告を警察に送った何者かは橋を爆破、現場は完全な陸の孤島と化す。真相究明に乗り出す紅子の怜悧な論理。美しいロジック溢れる推理長編。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生まれ。工学博士。某国立大学の工学部助教授の傍ら1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、犀川助教授・西之園萌絵のS&Mシリーズや瀬在丸紅子たちのVシリーズなどがある
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
292
アクセスする橋は爆破され、電話線も断ち切られ、外部への連絡も遮断された奥深い山中にある研究所が舞台。更にその研究所の創設者は仮面を被った車椅子の物云わぬ老人と本格ミステリのガジェットに包まれた作品だ。いつも思うことだが、真相を聞かされるとなぜこんな簡単なことに気付かなかったのかと思わされる。そして今にして思えばこの研究所はデビュー作の真賀田研究所の原型だったのかもしれない。超音波の天才土井博士は真賀田四季のプロトタイプのように思える。Vシリーズ、そして森作品全般にとっても色々な意味合いが込められた作品。2018/01/14
KAZOO
155
このシリーズの第7作目です。物語の面白さとしては私は前作のほうが面白みがあったし興味深く読みました。ややこの作品は冗長性があって、最後はいつも通りに解決するということになっていますが。ただ今後の布石のようなことも考えられていよいよこのシリーズも最終章になっていくのでしょうね。2016/07/03
nobby
145
Vシリーズ⑦物語そのものは穏やかで平坦に進み、紅子さんによる解決も極めて冷静沈着。山奥の複雑構造な研究所での殺人事件、不可抗力ばかり重なり巻き込まれたクローズドサークルも何とも緩い。結構、爆破事故とか首無し死体など大胆な要素あるけど派手さはあまりない。そもそも前半から1人の男を巡って女2人がバチバチぶつかり合う様子ばかりに目がいってしまい…同時に冒頭から真っ赤なドレスで自由奔放れんちゃんと、いじられ酔っ払いキャラしこさんに終始翻弄されていた印象ばかり。このシリーズ読むのにもう身構える必要はないのかな(笑)2020/06/02
セウテス
90
【Vシリーズ】第7弾。陸の孤島と化した山奥にある研究所で、パーティーに招待された紅子といつもの面々。刑事の七夏も加えた中で、殺人が発生する。ミステリの定番設定としては盛り上がるものの、謎解きとしてはオーソドックスで解りやすく今ひとつ。見取り図もあり本格館ミステリと、勝手に期待したのが間違いで、どちらかと言えばサスペンスだろう。しかし研究所に住む6人の科学者たち、彼らの研究への優先順位の傲慢さや執着心の凄さは、たいへん興味深かい部分ではあった。林の人間性が増々嫌になるし、反面七夏が報われる人生を期待もする。2022/07/12
KAKAPO
86
前作の『恋恋蓮歩の演習』を読んだ時にも感じたことだが、豪華客船や山中深くに位置する研究所という、せっかく凝った舞台を用意したのに、そこで起こる事件のスケールが小さくとても残念な感じがした。それでも前作は、保呂草の粋な計らいに救われたが、今回は、紅子が登場人物を集めて行う独擅場が鼻につき、チューリップの花びらが開くという手の動きは、活字で読むと滑稽にすら感じた。私がどうしても好きになれない紅子は、カオスを深めることによって、実はS&Mシリーズの四季のように、森先生の最終兵器としての力を蓄えているのだろうか…2016/06/01
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