内容説明
蝙蝠が羽ばたき狼が群れなす山奥の古城。ドラキュラ伯爵に幽閉された青年弁理士は、伯爵に楔を打ち込み逃げ出した。が、生き血を吸う妖魔はヨーロッパの辺境を脱出、大都市ロンドンでも牙をむく。光と闇の究極の闘争を描く怪奇ホラーの原点にして頂点。一世紀の時を超え斯界の第一人者が新たな血を注ぎこむ。
著者等紹介
菊地秀行[キクチヒデユキ]
1949年千葉県生まれ。青山学院大学法学部卒。1982年に『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年に発表した『魔界行1』が爆発的ヒットとなり、ベストセラー作家に。異世界、恐怖とエロス&バイオレンスをたっぷり注ぎこんだ伝奇ホラー小説の第一人者である
ストーカー,ブラム[ストーカー,ブラム][Stoker,Bram]
1847~1912年。アイルランドの怪奇作家。若い頃から演劇界に身を置き、批評や劇団の事務方として活躍する。1897年に『ドラキュラ』を発表、一大センセーションを巻き起こし、以後、吸血鬼文学の不滅の古典となる
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感想・レビュー
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セウテス
61
かなり現代風の翻訳で、スピード感もあり読みやすいです。ドラキュラ伯爵がクリストファー・リーに見えます。活躍するとは言えませんが十分に力強く年齢より若く見える、ヘンシング博士もイメージに近くなりました。どうも間の抜けた行動に思われた表現などは、的確に書き直されていて躍動感があり親しみ易い。謎のアメリカ人キンシー・モリスは一番原作から変化した人物であり、彼の存在がただのホラー作品ではないと言わせていると思います。解説を読み、レ・ファニュ「吸血鬼カーミラ」が本作に影響を与えたと知り、是非とも読みたいと思います。2015/10/18
ちえ
36
ニンニクと十字架が吸血鬼避けになり、夜は棺で眠る。昼間、心臓に杭を打つことで滅ぼすことが出来る等は知っていたけれど、ドラキュラは未読、映画も観ていない。こういう話だったのね。そして原作を読んでいるつもりで(何だか、文章が今風、翻訳のせいかな?)と思っていたら、菊地秀行氏の再構成だったとは。残念、原作は500ページを超える大作とのこと、気になるけれど、うーん読めるかなぁ。2023/09/04
作楽
10
原書未読。Dがいないと怖いですね・・・吸血鬼。教授もそんなに活躍しないし。でも、読みやすかったかな。2014/07/25
りんふぁ
4
原作より、エンターテイメント性が高く読みやすい。再読だったか(笑)2018/11/16
樹999
4
良くも悪くも、あくまで「菊地秀行」の「吸血鬼ドラキュラ」。大昔にDシリーズを一部読んだが、やっぱり似たような雰囲気。違いは主な舞台が辺境じゃないことくらいかな…。この方の文体だと女性と美形はやっぱり魅力的。娯楽小説としてはそこそこ楽しめた。2012/05/08