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講談社文庫
秘すれば花

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  • サイズ 文庫判/ページ数 278p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062748216
  • NDC分類 773
  • Cコード C0195

出版社内容情報



渡辺 淳一[ワタナベ ジュンイチ]
著・文・その他

内容説明

秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず―。秘めるからこそ花になる。秘めねば花の価値は失せてしまう…。能を大家・世阿弥が著した芸論書「風姿花伝」の中から、男女小説の第一人者が、現代人へのメッセージとして「五十の教え」を厳選した。これからの時代いかに生きるべきか。苦悩する社会人は必読。

目次

第1章 年来稽古条々―若さ、盛り、老年、それぞれの花(この芸において、大方七歳をもて初めとす―すべて習いごとは、七歳ころから始めるべきである。;さのみに、善き悪しきとは、教うべからず―あまり早くから、上手だ下手だと決めつけてはいけない。 ほか)
第2章 物学条々―学びつつ花を知る(又事に因りて、濃き薄きを知るべし―ことに応じて、強く弱く接する妙味を会得せよ。;この宛行をよくよく心得べし―周囲の状況には、よくよく心を配るべきである。 ほか)
第3章 問答条々―いかに花を咲かせるか(今日は、能、よく出来べき、あしく出来べき、瑞相あるべし―つぶさに周りを見れば、成否の前兆は自ずと現れている。;そもそも一切は、陰陽の和する所の堺を、成就とは知るべし―ものごとはすべて、陰陽が合するバランスが重要である。 ほか)
第4章 奥儀に云う―風を会得し、花を伝える(得たる上手にて、工夫あらん為手ならば、又目きかずの眼にも、おもしろしと見る様に能をすべし―常に工夫している人の芸は、見る目がない素人にも面白いと映るものである。;いかなる上手なりとも、衆人愛敬欠けたる所あらんをば、寿福増長の為手とは申し難し―見る人を喜ばせ、幸せな気分にさせてこそ、真の演技者というものである。)
第5章 別紙口伝―人と芸の花とは(散る故によりて、咲く頃あれば珍しきなり。能も住する所無きを、先ず花と知るべし―一点に留まらず、安住せず、つねに変化しつづけるものこそ、花である。;ただ花は、見る人の心に珍しきが花なり―相手に新鮮な珍しさを与えるもの、それこそが花で、珍しさが命である。 ほか)

著者等紹介

渡辺淳一[ワタナベジュンイチ]
1933年北海道生まれ。札幌医大卒。整形外科医ののち、『光と影』で直木賞を受賞。’80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞。2003年、菊池寛賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュラフ

33
新入社員の頃にVSOPという言葉を聞かされた。20代はバイタリティ、30代はスペシャリスト、40代はオーソリティー、50代はパーソナリティ、で勝負せよとのこと。残業・休日出勤を厭わずの猛烈営業マンとして今に至る。50歳になり過去を振り返ってみると、世阿弥の言う"花"というのが実によく分かる。口八丁手八丁のやり手というわけではなかったが、愚直に取り組んできたからこそ社内的には一目置かれる営業マンになった。天賦の才はなくともただひたすらの稽古によって上手となるという観阿弥の言葉に胸をしめつけられる思いがする。2016/07/18

みるみる

24
優れている人にも短所はあり、未熟な人にも長所は必ずある。なので大事なことは一流になったとしても、未熟な人のやることを見て、すぐれていることは吸収すべきである。要するに教わる相手に上下はなく、この謙虚さと貪欲さが人を常に成長させる。と言うように、この本は室町時代に書かれた『風姿花伝』という能楽論書を元に人間の才能とそれを生かす修行のあり方、つまり…生きて行く上で、花も実もある生き方をするためには、どのような心得、嗜み、修行が必要なのか・・・花のある人生をおくるために大事なコトが沢山書かれた素敵な一冊☆2015/10/02

ビイーン

22
プレジデントに連載されていたからか、サラリーマンの例え話には少々違和感があるが、「風姿花伝」には600年の時を超え、芸能の世界で独自の才能を活かしスターとして生きていく厳しさが伝わってくる。「稽古は強かれ、情識は無かれ」は戒めとして肝に銘じておきたい。2017/01/22

ヒロタカ

2
渡辺淳一さんが「風姿花伝」を分かりやすく解説しながら能と人の人生を照らし合わせながら生きる人々にメッセージを残したとても素晴らしい作品です✨ 自分は能は観たこと無いのですが好きなバンド「陰陽座」が能楽堂でライブを行った事や能面や般若のお面が好きなので何か通じるものがあると思い読みましたが読んで正解✨ 「生きる為の指針」がこの本に全て描かれています。 年齢に合わせた指針、社会人としての指針、人としての指針など様々な分野で生きる人達に「風姿花伝」は通じる所があります。 人生の良い参考書となりました✨2021/05/31

牧平 学

2
『風姿花伝』の本論というべき、別紙口伝の章の“秘すれば花”。 控えめにすれば花の美しさがますという意味で現代では用いられ、少々誤解が生じていますが、本来の意味、意義について本書では問いかけているように思います。小説家で有名な渡辺淳一が現代と比較して書いているところも非常にユニークな視点もあり、面白かったです。2014/01/16

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