出版社内容情報
内容説明
「ちょっとまって!わたしたちがおとなになったら、きっと戦争のない星にして、地球をもっともっと、たいせつにするわ…。」ヨシコのした宇宙人とのやくそくは、はたして実現されるでしょうか。表題作「宇宙人のしゅくだい」ほか、次代を担う子どもたちへの期待をこめておくる25編のSF短編集。小学中級から。
著者等紹介
小松左京[コマツサキョウ]
1931年、大阪市に生まれる。最初の長編「日本アパッチ族」発表以来、壮大な構想に基づく多くの傑作SFを発表。大ベストセラー「日本沈没」で日本推理作家協会賞を受賞。現在、日本SF作家クラブ会長・日本未来学会常任理事・推理作家協会会員等のほか、その活躍は多岐にわたっている
堤直子[ツツミナオコ]
1950年、博多に生まれる。東京芸術大学美術学部工芸課卒業。デザイン会社勤務を経て、1978年に独立。以後、イラストレーターとしてコマーシャルイラストを多数手がける。埼玉県上福岡市に在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Te Quitor
8
子供向けのSFショートショート集。子供向けで、読み応えは「ない」です。でも、ドキリとするような鋭いメッセージが込められているSFだと感じました。大人が読むのは微妙ですが、子供の時に読んでいたら大好きな作品になったと思います。良い児童書ですね。2012/06/30
ごま
3
25のショートショート。表題作と『アリとチョウチョウとカタツムリ』『キツネと宇宙人』『お船になったパパ』がお気に入り。『理科の時間』は完全に大人向けだと思う。評論家石川さんの解説は、小松さんを子どもにわかるように紹介しているのだけどとても素敵な文だった。子どもを未来をになうカギとして大切に思う小松さん。同様に石川さんも誠実に、大人扱いして語りかけている。紹介している『お召し』という作品、読んで見たい。2011/08/01
壱片時乃
3
素晴らしかった。まさか青い鳥文庫からこんなにすごいSS集がでているとは思いませんでした。語り口や作品のテーマは児童向けながら、大人が読んでも感心できるほどの落ち・寓意に富んだ名作揃いです。中でも『ロボット地蔵』が大好き。大人はよく「子供の夢を壊さない」ために色々と画策しますが、その「夢」とは何なのか、例えばサンタクロースを信じている幼子の前でサンタを演じることは子供の何を「壊さない」ようにしているのか。私はこれまでただの幻や空想といった言葉に置き換えられると思っていましたが、その認識を改めるに至りました。2010/11/25