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ラカン―鏡像段階

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062743570
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0310

目次

序章 知のアポリア
第1章 二つの症例
第2章 鏡像段階論
第3章 父の名前
第4章 シニフィアン
第5章 欲望と主体の運命
第6章 フロイトの覚醒
第7章 「もの」の顕現
第8章 人間という「症状」
第9章 立ち返るべき場所
終章 自己の収奪

著者等紹介

福原泰平[フクハラタイヘイ]
1955年生まれ。東京医科大学医学部卒業。専攻は精神医学。法務省勤務を経て、精神科医
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

20
どんな本も私は私自身の生きづらさと結びつけて読むことしか出来ない。それは本書も例外ではなかった。読みながら、私は自分が癒されていくような気分になってしまった。欲望を断念すること、「父」に承認されるのを諦めてしまうこと、世界の不可知性に触れること(人間の認識には限界があると弁えること)……ラカンは胡散臭い占い師とばかり思っていた私は自分の不明を恥じなければならない。筆致は極めて平易で、しかしこちらに媚びたところがないものとなっている。本書から例えばウィトゲンシュタインの哲学に向かうのも面白いだろうと思われる2017/09/13

まれむりん

4
「なんか聞いたことある」レベルだったラカン理解がかなり改善された。不可逆な欠損を抱えた主体が、母による補完を断念し、父による去勢を経て言語秩序に参画する権利を手にするが、欠損を埋める渇望は永続し、世界のあらゆる場所にノスタルジックな対象aを幻覚し続けて行く、というストーリーを読み取った。内容が語り得ぬ領域に近ずくにつれ、文章の論理性が文学や詩学のそれになっていき、分かるといえば分かるのだが、辞書的な理解は阻まれた。対象aという概念には、自分のこれまでの人生に照らして、非常にいろいろ腑に落ちた。2014/02/22

shi 2

2
主体は欠けたものとして存在する。欲望とは対象aへの指向性である。主体は欲望-対象aそれ自体には決して到達できず、欲望は主体の内部で空転する。欲望は再生産され続ける。欲望を絶つことはできない。欲望を絶つことは、主体を自らの本源的な『無』に直面させることだ。あらゆる対象aは『生』を措定する動力である。本書は前後期のラカン思想を知るうえで、ニュアンスや雰囲気を掴むうえでコンパクトである。ラカンとハイデガーを主題とした本もあるっぽいので読んでみようと思う。2021/11/20

Masami Fujikawa

1
自分でサマリーをとりながら読破したが、理解などできた気がしない。すでに失われてしまったものの痕跡を内包し、語りえぬものを語ろうとする虚しい営みにおいて、ようやく主体は主体たり得る、その語ろうとする意欲に背いてはならない、ということだろうか。各章の喩え、引用はわかりやすかった。自分の理解はともかく、よんでいて面白い本だった。2015/01/16

らんまる

1
非常にわかりやすい。しかもラカン理論の答えはいつも秀逸である。また、別の関連本にも挑戦したい。2010/12/10

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