海と帝国―明清時代

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  • サイズ A5判/ページ数 526p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062740593
  • NDC分類 222.01
  • Cコード C0322

出版社内容情報

★本書は『書評空間 KINOKUNIYA BOOKLOG』にエントリーされています。

内容説明

大艦隊による南海遠征や万里の長城の修復など古代の色濃い明朝。少数の満州族のもとで人々が闊達に生きるシステムを作り上げた近代的な清朝。古代的な明から近代的な清へ。モンゴルが切り拓いたユーラシアという大きなシステムの上に展開する、壮大な「海の歴史」としての明清五〇〇年の歴史。

目次

第1章 出来事の時空間
第2章 明朝の成立―一四世紀1
第3章 海と陸の相克―一四世紀2
第4章 海と陸の交易者―一五世紀
第5章 商業の時代―一六世紀1
第6章 社会秩序の変容―一六世紀2
第7章 王朝の交替―一七世紀
第8章 産業の時代―一八世紀1
第9章 伝統中国の完成―一八世紀2
第10章 環球のなかの中国―一九世紀

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

17
陸の帝国の印象が強い明・清の時代を「海」から捉えなおす。明朝の行った「海禁」「朝貢」といった「かたい」支配の裏側には、倭寇の跋扈や琉球王国の興隆など東アジア全体の海上交易の盛期があり、清朝の「やわらかい」統制は新大陸や西洋諸国をも巻き込んだグローバルな交易体制に繋がっていく。世界中から流れ込む富や物資は康乾盛世を生み、中国の人口爆発を呼び込むという正のフィードバックを促進する。元というグローバルに展開した王朝の遺産を、明清がいかに継承したか。著者の独自の視点と内容のバランスは、シリーズの中でも上位にくる。2021/03/31

ピオリーヌ

15
520頁余りの大著。通勤時間に読むのにはやや大きいサイズだがそれもまた良し。タイトル通り東アジアの海上ネットワークに重きが置かれ、同時代を扱った既読の概説書『紫禁城の栄光』『陸海の交錯』『明と清』らと違う切り口が新鮮。末尾に出てくる「ミッチェル報告書」から、中国各地の産業が海を介して多角的かつ緊密に結びついていることを、読み取ることが出来るとする下りなど、とても興味深い。傑作ぞろいのこの講談社のシリーズの中でも、出色の出来とされている言葉に間違いはなかったと感じる。2021/12/02

崩紫サロメ

15
ブローデルやウォーラーステインの「海の歴史」の成果を取り込み、「近代世界システム」論の範囲である14世紀から19世紀を扱う。といってもそこまでがっちりと西洋史の流れを受けているわけではなく、「交易という視点で歴史を語る」というスタンスの中国史。18世紀後半の中国は商業資本が大開発を行い、かつ人口が急増する時代、これを「盛世の史的システム」呼んでいる点も興味深い(p.415)2020/07/01

OKKO (o▽n)v  終活中

15
【修論提出記念読了登録祭り】(まだまだ続くぜ) ◆いいかげん買えよ……のくだりは一回目の感想文に書いたことだが、まだ買ってない ◆かねてより「陸」ばかりではなく「海」の枠組みでも東アジアを見なくてはあかんのではないかという思いがある。論文の題材にマカオを選んだのもその流れだ。この思いはひときわ強まったわけだが、なんせ日本に留まらず東シナ海南シナ海できればインド洋アラビア海までを見渡す海洋文化圏の物語に思いを馳せれば胸の鼓動は高まるぜ! とにかく一般書の少ない明の帝国を知るための、限りなく専門書に近い一般書2019/01/18

OKKO (o▽n)v  終活中

12
図書館 ◆「いいかげん買えよ」と自分で突っ込みたくなるくらい何度も借り出してるんだが、なにせドタバタでじっくり読めないのがつらい。買ったって時間ないのわかってるから買わない ◆意外と日本で「読み物」が出版されてない明朝についてのあれこれがわかる優れた一冊。しかし必要なとこだけガ~ッと集中読みの連続で未だに明朝の全体像が見えてないってこのありさま ◆とりいそぎ、媽祖とイエズス会と朝貢(海禁)政策に関する部分のみ読み込み&コピー ◆本末転倒なのは承知の上で……論文終わったらゆっくり読むんだ(´;ω;`)ウゥゥ2018/09/15

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