中華の崩壊と拡大―魏晋南北朝

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  • サイズ B6判/ページ数 382p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062740555
  • NDC分類 222.01
  • Cコード C0322

出版社内容情報

バイタリティ溢れる華やかな暗黒時代の全て秦漢帝国と隋唐帝国の狭間に位置する四百年の乱世。しかし乱世こそ多様な異民族・多彩な人間たちの欲望が縦横に奔出する時代。輝やかしい乱世の激動を描きつくす

川本 芳昭[カワモト ヨシアキ]
著・文・その他

内容説明

乱世の三国時代を治めた晋の再統一(西暦二八〇年)の後、中国は再び大分裂。五八九年の隋の天下統一まで、華北(北朝)では、五胡十六国時代を挟み、一時は北魏が統一するが、東魏、西魏、北斉、北周と興亡を繰り返す。江南(南朝)でも、宋、斉、梁、陳と次々に王朝が交替。乱世の一方、陶淵明、顧〓(がい)之の活躍した六朝文化が華開く。

目次

第1章 魏晋南北朝時代の幕開け
第2章 胡漢の抗争
第3章 胡漢の壁を越えて
第4章 江南貴族制社会
第5章 南朝後期の政治と社会
第6章 江南の開発と民族間抗争
第7章 北魏孝文帝の改革
第8章 北朝後期の政治と社会
第9章 古代東アジアと日本の形成
第10章 中華世界の拡大と「新」世界秩序

著者等紹介

川本芳昭[カワモトヨシアキ]
1950年生まれ。九州大学文学部卒業。九州大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。九州大学大学院人文科学研究院教授。専攻、東アジア古代・中世の民族問題、国際交流、政治史。漢唐の間の時代を研究の主要なフィールドとしながら、世界最大の民族となる漢民族がどのようにして形成されていったのか、中華文明の本質とは何か、中華文明と対峙しつつ、日本を含めた周辺の諸民族がどのようにして自らの国家やアイデンテイティを確立していったのかといった問題の解明を目指している
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

10
西洋史、特にローマ史やイギリス史の研究手法に慣れている者には、非常に面白い。つまり、文明/野蛮、自己/他者、中心/周辺という対照の中で揺れ動くアイデンティティを扱っている。2005年の時点で中国史でこのような視点の研究を行う人は珍しく、初読時には感動したものだ。中国史において見落とされている視点が凝縮されたものとして定期的に再読しているが、今は多くの若手研究者がこのような視点を継承しているのだろう。2019/12/07

MUNEKAZ

10
魏晋南北朝の概説書。小国の乱立と目まぐるしい興亡の裏に「漢」と「胡・蛮」、「儒教」と「仏教」など異民族・異文化の接触によるギスギス感が満載で、さらに暗君・暴君の連発とまさに中華の崩壊。ただその崩壊は漢族による伝統的な中華であり、日本や朝鮮では独自の中華思想が芽生え、大陸でも本来は夷であったはずの北魏が、新たな中華の担い手として勃興し(著者は孝文帝を転換点に挙げている)、それは隋唐帝国へと続いていく。表題にある通り崩壊と拡大が連続性をもって描かれており、なかなか面白い一冊であった。2018/07/17

hyena_no_papa

7
やはりこのような本を読む人の読後感はレベルが高い。ワタシ的に印象に残ったのは、以前読んだ『五胡十六国時代』における北朝の凄惨さに比べても、あまり違わないかも知れない南朝の陰惨さ。宗族同士の殺し合いで国家が衰亡する。それが繰り返される。また、歴史地図では一色に塗られている南朝の国にしても、内実は相当なまだら模様。「蜀」の三星堆の箇所は興味深い。劉備や諸葛孔明や陳寿は、こんな世界に住んでいたのか!「古代東アジアと日本の形成」は畑違い故か遠慮がち。この垣根をもっと低くした深く鋭い論究を読んでみたいものだ。2020/02/13

ピオリーヌ

7
司馬炎の母は王元姫、その祖父は王朗、父は王粛とある。司馬炎は王朗の血を引いていたのか…!先日、于禁が王朗配下にいたという話で盛り上がったのでタイムリーな話題だ。2018/03/22

目薬

4
みんな大好きな三国志のその後の中国史を理解したいという思いにこたえてくれるしっかりした解説がされています。扶植や厖大といった様なあえてあまり使われていない単語や漢字が使用されている事が気になった。2017/11/22

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