内容説明
光世さんと結婚したことが、どんなに大きなことであったかをしみじみ思います―三浦綾子は『氷点』以来、本が出る度、口述筆記に看護に執筆を支えてくれた夫に心をこめ、言葉を記し贈った。149冊に刻まれた謝辞は夫婦として共に生き歩むことの意味、喜びを伝え胸を打つ。遺されたエッセイを加えた貴重な一冊。
目次
忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉(小野村林蔵牧師;愛の人西村久蔵;喜びと感謝の人 ほか)
初めての小説 遺されたエッセイ(小説 暗き旅路に迷いしを;わたしは手洗いおばさん;応募作品と私―一千万円懸賞小説 ほか)
妻から夫へ 遺された言葉(『氷点』から『さまざまな愛のかたち』まで;開花する才能の日々―初期・42歳~50歳;作家として多忙な日々―全盛期・51歳~60歳 ほか)
著者等紹介
三浦綾子[ミウラアヤコ]
1922年北海道旭川市生まれ。旭川市立高女卒。教職に就くが敗戦により辞職。’46年肺結核を病み、13年の闘病生活を送る。その間キリスト教の洗礼を受け、三浦光世と結婚。’64年朝日新聞社1000万円懸賞小説に『氷点』が入選、作家生活に入る。’99年、77歳で逝去
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感想・レビュー
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Midori Nozawa
6
寝る前に少しずつ読みました。綾子さんと私は気性が似ていると感じます。太平洋戦争前後7年間小学校の教員をした綾子さんは真面目に皇国への忠誠を教える教師でした。敗戦後、自分が教えた教科書を黒塗りさせるのは生徒に顔向けできないことだったでしょう。どんな時代になっても自分を守って逞しく生きられる人は強い人かもしれない。でも綾子さんは違った。自殺を試みるも気づくと浜辺に戻されていた。自分を生かそうとする見えないものの意思を感じた綾子さんに信仰が開かれました。御主人との二人三脚が本書で溢れていて、心地よいです。2021/05/29
愛希穂
1
久しぶりに読んだ三浦綾子さんの本。 三浦綾子さんのご主人に対する思いが素敵です。 三浦綾子さんの著書は全て、その根底にキリストを伝えたいという、その思いが流れています。それ故に文壇からは「護教文学」と、敢えて無視され続けてきたと聞いたことがあります。 それでも、書きつづけた三浦綾子さんのこの言葉が響いてきました。 キリストを信じる者の強さを感じました。 わたしの場合、護教文…(ブクレコからインポート、全文はコメントに掲載されています)2012/01/04