内容説明
「お宅のアパートは未承認で違法です」のどかな週末、警視ブルネッティを突然、生真面目そうな役人が訪ねてきた。だが男は数ヵ月後、謎の転落死を遂げる。一方、署では上司の息子の不祥事に巻き込まれ…。ヴェネツィア警察の、家庭を愛する中年伊達刑事登場。サントリーミステリー大賞作家レオンのCWA賞受賞作。
著者等紹介
レオン,ダナ[レオン,ダナ][Leon,Donna]
1942年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。’65年、ローマ留学。’69年以降、アメリカ、スイス、イラン、サウジアラビア、中国の大学で英語教師を務め、現在はヴェネツィアに在住、執筆活動を続けている。『死のフェニーチェ劇場』(Death at La Fenice)は、日本で1991年第9回サントリーミステリー大賞を受賞した
北条元子[ホウジョウモトコ]
1948年、東京生まれ。聖心女子大学外国語外国文学科(英文学専攻)卒業。翻訳家、エッセイスト
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感想・レビュー
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mocha
97
独特の伝統文化が息づく閉鎖的な街・ヴェネツィア。ここでは何かにつけ大物とのコネが物を言う。ブルネッティ警視は無力感に苛まれながらも、汚職、腐敗、麻薬が絡む事件に独自の捜査を進めていく。派手なアクションも推理のキレもないが、舞台となるヴェネツィアと警視のキャラクターが魅力的。妻パオラの作る料理も美味しそう。いちごにバルサミコ酢をかけるのって一般的なのかな?2016/05/21
himehikage
12
原題とは全く違う邦題だけれど、ヴェネツィアの成り立ちやヴェネツィア人気質など含蓄に富み、内容にはぴったりだった。ヴェネツィアガイドとしてもエスプリが効いたミステリとしても読み応えあり。シリーズ作品でもよさそうなのにそうではないみたい。CWA賞受賞作2023/07/09
sena
4
ヴェネツィアの人はイタリア人ではなく、ヴェネツィア人だったのか。ブルネッティ警視、けっこう嫌な奴かもしれないなあ2014/06/11
きうりっち
3
ほのぼのした始まりでどこが殺人事件?とおもってると、立て続けに3人が(4人か?)殺される。それでもあんまり緊迫感なく、麻薬の売買にかかわる話かと思っていると不動産を管理する役所の不正だったりして、焦点が何か分からなくなってくる。犯人は明かされるが罰されることはなかったり、イタリアという物珍しさを除くとあまりとりえのない作品のように感じる。2015/11/07
地味ぃ
2
アメリカ生まれヴェネツィア在住の作家 ヴェネツィア舞台2018/08/02