内容説明
死んだはずの母親の消息を訊いた酒場で暴れ、入墨者になった源七は、奉公先で盗みの濡れ衣を着せられた娘・お菊を救うため奔走する。町方同心佐々木弦一郎の下で、十手捌きを身につけていく源七に、渋柿長屋の人々の眼差しは温かい。お菊を陥れた悪党を源七は炙り出せるのか?第十回時代小説大賞受賞作。
著者等紹介
押川国秋[オシカワクニアキ]
昭和10年宮崎県生まれ。中央大学法学部卒。東映脚本課を経てフリーの脚本家に。『遠山の金さん』『人形佐七捕物帳』『旗本退屈男』など、おなじみの映画・テレビドラマの脚本を手がける。平成11年、『十手人』で第十回時代小説大賞を受賞。最後の受賞者となる
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感想・レビュー
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あき
1
同じとこをぐるぐるくよくよ回り続ける主人公にイラつく。なんかこの先もちょっと壁にぶつかったらすぐ後ろ向きになって、うじうじくよくよするんだろうなあ、としか思えない。2020/06/11
立て邦彦
0
私も二枚目の同心さんが主人公と思ってたら、そうでもなくてびっくり。荒くれの若者でした。その時代の暮らしぶりがふつふつと感じられるような描写で、よく出来てる。タイトルの「十手人」って、ピンとこない。もとのタイトルのほうが好みです。2013/11/23
よーこ
0
佐々木さんがかっこいい。主人公じゃないけど。2010/01/04
mikage
0
元人気時代劇の脚本家だけあって、破たんなく読めるし。見せ方や掛け合いがうまいです。2009/05/17
朱音
0
時代小説。普通主人公になるであろう同心の弦一郎(若くてかっこよくって、気風も度胸もいいし、腕っ節もたつし…)ではなく、刺青もの(前科もの)の源七を主人公にしているところが視点が違っていていい。一章ごとに事件を解決していくわけなんだけど、そのなかにずっと続いてゆく話があるのもいい。2003/08/18