内容説明
女性カメラマンが冬山で遭難死―。残されたフィルムを現像してみると、最後の一本には驚愕の真実が隠されていた「暗室」(真保裕一)、新聞記者になりたての姪から届く手紙に記された寄妙な放火事件の謎を、元判事の伯父が解き明かす「往復書簡」(恩田陸)ほか、ミステリーの名手たちによる豪華アンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひょろ
10
新津きよみ「返す女」わずか17Pの短い話ではあるがもっと短くてもいい題材。ショートショートレベルでスパッといった方がいい。 真保裕一「暗室」強かな女性とその信念、それに報いようとする男たちの姿が良かった。 奥宮和典「おじいさんの内緒」仕掛けにビックリ。よくあんな仕掛けを思いついたものだ。匠である。 恩田陸「往復書簡」おじさまの推理がさえわたると思ったらあんな種があったのね。2016/08/18
MIKETOM
8
全9編。一編を除き全て佳作揃い。みなキラリと光るものがあり、その個性、美点を主張してくる。こういうアンソロジーはありそうで滅多にない。『暗室』鼻っ柱が強く上昇志向が強い女。死後ひどい誹謗中傷を浴びるが、真相がわかってしまえば、死の瞬間まで職務に忠実たらんとしたその姿勢が感動を呼ぶ。強かで図太い男二人が涙した気持ちにも共感できる。一番好きかな。『公僕の鎖』ユーモア風語り口のわりに物悲しい話。これも新野剛志の個性の一つ。某一編。”反戦じゃなければ戦争賛美”という白痴論理を振り回されてもね。2022/07/13
noribei
6
アンソロジーは新たな作家との出会いが楽しみのひとつ。今回は 私の好きな作家さんの素晴らしさを再確認。「動機」「往復書簡」はそれぞれの作家の短編集にて既読。やはり横山秀夫が断トツに凄い。2021/07/05
みぃすけ
6
そんなに期待せずに読み始めましたが、なかなかどうしてどれも粒ぞろいでした!いちばんのお気に入りは「蒲団」で、仕掛けに驚いたのは「おじいさんの内緒」。こういううれしい誤算があるからアンソロジーはやめられないですね~!2017/02/25
つみき
5
恩田さん目当てに借りてきたのですが、他の作品も面白かったです。「おじいさんの内緒」は小説内小説がちょっと読み辛かったのですけれども、カラクリが分かった時には、わあぁ!と思い、慌ててページを戻しました。楽しかったです。ミステリーは、やっぱり読んでいるとわくわくしますね。2011/10/03
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