内容説明
闇世界の支配者となるべく策を巡らせ金と暴力で敵を食い尽くして、のし上がっていく加賀篤。だが大金と権力を手中に収めたとき、すでに悲劇と崩壊は始まっていた。この世界を支配する真の貴族とは誰だ!?金融と裏社会の修羅を生き抜いた著者ならではのリアリティ、これぞ正真正銘の傑作ピカレスク・ロマン。
著者等紹介
新堂冬樹[シンドウフユキ]
1966年生まれ。金融会社勤務を経て、現在は都内でコンサルタント業を営む傍ら、執筆活動。本書『血塗られた神話』(講談社文庫)で第7回メフィスト賞を受賞し作家としてデビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
★グラスハート★
57
2.0 前半~中盤はヤクザのフロント企業金融屋のイザコザと後半は裏社会での成り上がり、暗殺ストーリー。結末はなんとなく想像出来る展開ではあったんだけど、相変わらず、残り100頁になってもまだ動かずタメ感が強い。 今回はどうでもいいセッスクシーンがなくてよかった。 ただ、世界経済を牛耳っている組織はなくてもいいかな。 2021/10/16
そうたそ
24
★★★☆☆ デビュー作と比べて、ストーリーのスケールも面白さも段違い。二作目でここまで化けるか、というくらい。とはいえ、まだまだ新堂色は薄めな感じはする。デビュー作よりエグさは増しているが、これもまだ序の口。ハードボイルド色が強いのもこの頃の特徴だろうか。解説でも言われていたが、全体的な作りは粗いし、文章も粗削り。しかしストーリーの勢いだけで一気に読ませる魅力があると思う。小手先だけで書いている気がする最近の新堂さんの作品よりも、この頃の作品のほうが好きだ。ストーリーの展開が読めてしまうのは難点だが。2014/08/14
韓信
5
ヤクザのフロント企業の金融屋の抗争と裏社会での成り上がりを描くノワール。相変わらずマンガみたいなキャラや設定、ベタでクサい文章だが、スピード感と陰惨になりすぎない暴力描写でグイグイ読ませるし、ある程度予想できる結末も、そこに至るまでのツイストの連続が爽快。しかし個人的には金融屋の抗争に止めておいた方がリアリティを保てたと思うのだが、世界の政治経済を牛耳る組織とか、そこで養成された暗殺者とか、風呂敷を広げるほど馬鹿に見える作風はちょっと残念。それでも単純に楽しめるのだから、新堂冬樹の剛腕ぷりがうかがえる。2016/05/05
ash
5
金って恐ろしい…拝金主義のインテリヤクザが主人公の、スケールが大き過ぎるどんでん返し系経済・金融サスペンス。街金、闇金、戦争、暗殺など、ブラックなキーワードのオンパレード。独特な文章で性的なところはサド公爵の小説より衝撃を受けた。読者側である私が洗脳された。傑作。 2011/03/27
じゅんた
4
これは面白かった。知らない世界の話だから興味深い。ラストはもう予測できちゃうのでちょっともったいない2014/07/03