内容説明
「十四歳で変わり、十五歳で風俗の世界に飛びこんでくる。もう手のつけようがない」―いとも簡単に援助交際に走る少女たち。救うべき親もまた、何も言えず放任のまま。帰るべき家庭はなく、身を売ることで自分を消す少女たち。その生態を明かす。家族の崩壊と揺れる性を綿密に追う著者最後の渾身のルポ。
目次
第1章 絶望の街
第2章 生き延びること
第3章 冴矢
第4章 ネリのいる街へ
第5章 十四歳
第6章 私は売っている
第7章 九十九滴の絶望、一滴の希望
第8章 再び十四歳
第9章 そして消えた
エピローグ 冴矢・二十歳
著者等紹介
井田真木子[イダマキコ]
1956年神奈川県生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科美学専攻卒業。会社勤務を経て、フリーランスライターに。’91年『プロレス少女伝説』(かのう書房、のち文春文庫)で第22回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。’93年『小蓮の恋人』(文春文庫)で第15回講談社ノンフィクション賞受賞。2001年3月14日、死去
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感想・レビュー
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yamakujira
3
日本の女子中高生が売春と薬物に溺れていく実態と、ストリート・サヴァイバーと呼ばれるアメリカの少年少女の様相を、精力的な取材からえがく。アメリカの惨状と救済活動を知ると、日本はまだましだと感じるけれど、本書発行から16年を経て、著者の危惧したとおりSNSやネット環境の普及で実像は地下に潜ってるはずだ。少女たちの現状が悲しく切なく痛々しく、少女売春は買う方が罪だと思うけれど、金儲けを礼賛する消費社会の落し子のような少女たちの思考が怖い。この国は彼女たちを救えるのか、それとも見捨てるのだろうか。 (★★★☆☆)2018/11/26
sakichi
2
井田さんの情緒的だが、鋭く、安易な結論が無いノンフィクションはとても読み易く、一段階奥まで届く気がしました。だが、1滴の希望となり得るのは、同じ境遇から立ち直った人だけなのかもと、これも非情な現実なのかもしれない。2014/11/15
ナツ
0
想像してたのとちがって期待外れであんまりだった。一人の少女が軸になっているので色々な事例がわかる訳でもなく、突然少女を連れて海外のストリートサバイバーの取材に出たりであまり関心が持てなかった・・2016/05/24
y
0
読んでてしんどくなる感じ。悪い意味ではないです。2016/01/09
うえだ
0
ここに書いてあるのは、事象的にはもう古い?ことかもしれない。でも変わらないこともある。「私は生き延びたい。ほかの生き延びたい人とともに」「さもなければ、私自身が生き延びられないから」(井田)2019/01/21