内容説明
一九九二年四月二十五日、走りぬける風のように尾崎豊は突然逝ってしまった。彼はあの時代の寵児なのか、徒花なのか?没後十周年を迎え、いまふたたび彼の軌跡を辿ることにより、現代の歪んだ相貌を浮き彫りにする。綿密な取材と豊かな表現で「時」と「人」の交錯を見事に描出した新しいノンフィクション。
著者等紹介
吉岡忍[ヨシオカシノブ]
1948年長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。大学在学中より執筆活動を開始し、教育やテクノロジーの現場、またアメリカ、東南アジアなどの取材を続ける。1987年、日航機墜落事故を描いた『墜落の夏―日航123便事故全記録』(新潮社)で講談社ノンフィクション賞を受賞
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感想・レビュー
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ごまこ
4
尾崎強化月間その4。当時の時代背景と共に綴る尾崎豊。尾崎の「間違い」を延々と指摘し続けるというすごい内容。私などはファンなのでちょっとツライ。途中、もう読みたくない!というところまで来たのだが、尾崎へのもやもやしたものが著者に指摘されたりもして目からウロコだった。読んでよかった。周囲にも取材しており、語られる言葉は生々しいものがある。ある人物の「尾崎の、聴衆に向けた言葉はウソだった」という意味合いを持つ発言にはさすがにムッときたけど。2011/04/28
バカ殿。
3
ニューヨークに行ってシャブ漬けになった事や帰国後の事務所とのトラブル、他界する直前の出来事などが赤裸々に書かれていた。26才の若い死について、才能を惜しむ声もあるが、そんな風にしか生きられなかったからこそ、あんな繊細な作品が出来たのだとも思う。2016/11/03